僕には全てお見通し3 ページ7
「風邪引いたンなら直ぐ言えば善いのにねェ。・・・なンなら妾が治してやろうか?」
与謝野さんがニヤリと妖しげな笑みを浮かべたので、私は慌てて「結構です!」と断った。
与謝野さんに治してもらうイコール、解体を意味する。風邪だけの為に解体されるのは絶対に厭だ。
「A、無理しないで今日はもう帰っても善いぞ」
国木田さんはそう言ったが、私にはまだ後少し仕事が残っているのだ。帰るわけにはいかない。
「でも・・・、まだ仕事が残ってますし・・・」
「心配するな。太宰がやってくれるそうだ」
国木田さんは太宰さんの方を顎でしゃくった。
「えー?私まだ何も言ってないのだけれど。・・・まぁ、Aちゃんの為ならやっても善いかなァ。何処かの国木田君とは違ってAちゃん優しいし、仕事サボってても何も言わないしィ?」
「おい貴様!何だ!何処かの国木田君とは!完全に俺の事だろうが!!」
国木田さんが太宰さんの胸倉を掴んで揺さぶる度に、太宰さんの頭が振り子の様に移動する。
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midori(プロフ) - すごくいいです!!頑張ってください!! (2017年11月26日 16時) (レス) id: 6061ae511d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テツ | 作成日時:2017年11月18日 23時