微熱1 ページ1
「よォ、具合は如何だ?」
聞き慣れた声に気怠く重い瞼を開けると、其処には私を覗き込む様に見つめる、青く輝く二つの瞳があった。
「・・・中也・・・さん?」
「手前が風邪引いたって聞いたから、仕事片付けて来てみりゃあ・・・微熱かよ手前」
「心配掛けやがって」と中也さんは、私の額を指で小突いた。
「ッ、すいませッ・・・ゴホッゴホッ・・・!!」
口元を手で覆いながら、私が身体を起こそうとすると中也さんは私の肩を抑えてそれを阻止した。
「一応病人なンだから寝てろ。それに、悪化したら明日の任務に支障が出るだろうが」
そう言えば風邪に気を取られて忘れていたが、明日は首領直々の任務があるのだ。確か内容は、敵対組織への潜入。
風邪なんかでそれを台無しにする訳にはいかない。
「・・・手前、一人だけなンだろ?行くの」
中也さんが、被っていた帽子を取りそれをテーブルに置くと、ベッドの縁に座って言った。
「・・・はい。首領が、女の私にしか出来ない事だからって・・・」
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midori(プロフ) - すごくいいです!!頑張ってください!! (2017年11月26日 16時) (レス) id: 6061ae511d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テツ | 作成日時:2017年11月18日 23時