第七百八十七訓 ページ21
あの時先生と松下村塾へと行っていたら、私の人生は何か変わっていたかもしれない。
銀時君達の妹弟子として攘夷戦争に出ていた?今でこそ警察だが、もしかしたら攘夷志士として相反する立場にいたかもしれない。
でもどちらにせよ先生の教えを守ることは変わらないから。だから私は______
(!!出口っ、)
……と、そこで光が漏れる出口を見つけた。どうやら一心不乱に走っていたら出口まで来ていたらしい。
(銀時君っ、高杉、どうか無事なままで____!)
そう、強く願って抜け道の出口をくぐった。
だが。
.
__________ドッッ、
.
『え、』
抜け道をぬけたと同時に私が見たのは、奈落による錫杖によって胸を貫かれる高杉だった。
そしてそのまま彼は……重力に従いどさり、と倒れる。
(……え?は、まっ、……て、)
狭まる視界の中で状況を確認する。
恐らく信条をかけた
頭から鼻から口から体から血を出して、倒れた高杉を呆然と見てる銀時君だって立っているのもやっとで。
「_____言ったはずだ」
そして目の前には……嫌な予感が的中した。
朧「師に拾ってもらったその命、無駄にするものではないと。八咫烏が告げし天啓に二度目はない…松陽の弟子達よ」
奈落三羽烏が一人____朧。
大勢の奈落の部隊を引き連れて先頭に立つ彼は編笠を少し弄りながらその虚ろな目を銀時君と高杉に向けた。
高杉に向かって錫杖を投げたのは……お前か。
(嗚呼…間に合わなかった、朧の手が兄弟子へと伸びるのを、止められなかった)
顔が歪む。憎しみで歪む。悔しさで歪む。全てを与えてくれた恩師とその兄弟子に恩を返すことが出来ず歪む。
駄目だ、駄目なんだ。恩を仇で返す訳には行かない。
だから、だからさ。
『おい、糞烏』
『私の兄弟子に…何してくれてんの』
護るよ。私が。
姿を現した事によって私を視認した朧と、驚いた様に勢いよく私を仰ぎ見た銀時君に私は不器用に笑いかけた。
不敵に、泣きそうに。不格好で下手くそな笑顔で。
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RENKA - 初コメ失礼します、感動しました号泣です涙止まんないです!!心がキュンキュンしました!!もうキュンキュン通り越してギュンってなりましたよ!← これはホント何回みても飽きないですマジで!!最高っす!!!ってことでちょっともう1回読んできますね(( (2022年7月5日 11時) (レス) id: 345a1df315 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 涙止まんなすぎてバスタオルで拭きました最高ですめっちゃ感動しました!!!!! (2022年7月4日 21時) (レス) @page41 id: 3103cb23ea (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - イルさん» 将軍暗殺篇はこれにて閉幕です、NEXTとしてはさらば真選組編ですね!!ハンカチのご用意を……w結構心理描写が精神的に来るものがあると思われますです……更新頑張ります!将軍暗殺篇ありがとうございました!! (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 雑草のかきあげ(仮垢)さん» 最初からw!?!かなり長いですよ!?w大丈夫ですかほんと無理しないでねw!?!更新頑張りますw将軍暗殺篇ありがとうございました!! (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - つなかんさん» いやこちらこそぎゅんぎゅんして頂いた様で(?)良かったです、更新ノロマですが宜しくお願いしますw!! (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年5月3日 15時