１２２話 ページ25
初日の修業はずっと虫を撃ち続けるだけだった。
それだけだったけれど、使っている拳銃は常に炎を吸い取っていく。
四回目の途中には炎が切れて弾が出なくなり、体も疲弊しきっていた。
そんな私に｢オレは今回家庭教師の精でもあるからな｣といつの間に着替えたのか、妖精の衣装をまとった彼は他の守護者の様子を見に行ってしまったリボーンくん。
炎が回復しきるのは時間がかかる為、その日はそれで終了した。
しかし私はまだいい方で、皆かなり悪戦苦闘しているようだった。
そんな私はお風呂上がり、冷蔵庫へお茶を取りに行った。
計画について、これからについて。
私は修業以外にも結論を出すべきことがあった。
それらを考えるために、熟考のお供として水分が欲しいと思ったからだ。
その途中、ぷりぷりした様子でこちらへと向かってくる京子ちゃんとハルちゃんを見かけた。
手には何故か看板を持っている。
｢Aちゃん｣
｢二人とも……その看板、どうしたの？｣
よく見るとそこには【秘密反対!!】【情報の開示を】と書かれていて、まるでデモでも起こす人のようだ。
｢私たち、今起きてることをもっと詳しく知りたくてツナくんたちに聞いてきたの｣
今起きていること。
それはつまり、私たちが白蘭さんを倒すべく修業に励んでいること。
そして、私たちが負ければこの世界は終わってしまうかもということ。
｢でも、ツナさんたち何も教えてくれなくて……。だからハルたち、真実を話してくれるまで家事を一切しないことにしたんです！｣
｢ビアンキさん、クロームちゃんにイーピンちゃんも味方してくれてるの｣
誇らしげに、でも笑顔は浮かべずに京子ちゃんは言った。
これは私がどちら側につくのかを問われているのだろう。
｢そっか……｣
ここに飛ばされている以上ふたりは無関係ではない。
巻き込まれているのにも関わらず何も知らないのは悔しいだろうし、力になりたいと思う気持ちも分かる。
だが、私がこっちにつくのはおかしい。
その行動は矛盾している。
私だって皆に隠し事をしていて、聞きたいと言ってくれた人がいるのにそれでも話せていない。
｢中立っていうのは……ずるいかな｣
答えが出ない。
迷った挙句、私の口から出たのはそんなずるい言葉だった。
｢ううん、いいよ。頑張ってる時にごめんね｣
｢おやすみなさい、Aちゃん｣
優しく笑ってみせた二人に私は甘えることにして、目的を果たしにキッチンへ向かった。
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小学7年生(プロフ) - モナ子さん» ありがとうございます！楽しんでいただけたようで何よりです(^-^) 頑張ります、ありがとうございます！！ (2020年9月24日 19時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
モナ子 - 面白すぎて一気に読んじゃいました！番外編最高すぎます…( ・∇・) こういうのって大体キャラ崩壊してるのに作者様のキャラはキャラのままで尊敬します！これからも頑張ってください！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: 2a3f107de3 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - めろさん» めろ様、コメントありがとうございます。大変お待たせしましたがこの度連載再開させていただきます。もしよろしければ暇つぶし程度にお使いください。作者の体調まで気にしてくださり感謝致します。めろ様も十分お気をつけくださいませ。 (2020年8月22日 20時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
めろ - 久しぶりにずっと楽しんで読めれる作品に出会ったので更新停止とても悲しいです（ ; _ ; ）書き直しの更新楽しみにまってます、世界情勢も大変な状況なのでお体にお気をつけてくださいね。 (2020年8月10日 14時) (レス) id: afb9e59317 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - トツキさん» トツキ様、コメントありがとうございます。そんなことを言っていただけてとても光栄です。できるだけ早めに更新出来るよう書き直しを進めさせていただきますので、お待ちいただけると嬉しいです。 (2020年5月26日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学7年生 | 作成日時：2020年5月2日 20時
