１００話 ページ3
優しい言葉をかけられた直後。
ばたばたばたという音が扉の方からした。
｢あらぁ！ 無事成功したのね、おめでとっ！｣
｢ししっ、時間かかりすぎ。王子ならもっと早く出来たな｣
｢堕王子、寝言を言うのは勝手ですけどミーの上に寝たままは勘弁してください｣
ギブギブ、と力強くその下にいるレヴィさんを叩くフランさん。
これはきっと故意だ。
レヴィさんは叩かれる度に小さく呻き声を上げ、一番下にいるルッスーリアさんは顔色がみるみるうちに悪くなっていく。
レヴィさん重そうだもんなあ、と他人事のように思っていると｢オレが教えられんのはここまでだ｣と部屋を出ていってしまったスクアーロさん。
私は急いで部屋を出て、扉を出たところで立ち止まり長い廊下を歩く彼に大きな声で｢ありがとうございました！｣と深く頭を下げた。
それから仲良く重なる四人に｢今から会議なのでは？｣と声をかけた。
上から順々に起き上がったフランさん以外の皆さんはどこか楽しそうに表情を綻ばせた。
｢オレら、オヒメサマの見送りまでが仕事なんだよね。会議はそのあと｣
｢そ、その呼び方！｣
リング争奪戦は
｢まーまー、落ち着いて。ベルセンパイなりのプロポーズなので勢いよく振ってくれればいいんですー｣
｢適当なこと言ってんじゃねーよ｣
投げられたナイフはフランさんの頭のカエルに突き刺さる。
少し苦しそうな声を出した割に顔は変わらず無表情だ。
｢違うんですかー？ 自分のこと王子って呼んでるし、Aさんがお姫様なら完全にプロポーズだと思ったんですけどー｣
｢んなわけねーじゃん。あーあ、変なこと言われたせいで呼びにくくなったわ。フラン、お前後で覚えておけよ｣
｢善処してみますー｣
これはフランさんに後で処罰が下される流れでは。
私を庇ってくれたばっかりに申し訳ない。
｢さて。それじゃ体温の回復といきましょうか｣
ルッスーリアさんのはめる指輪に黄色の炎が灯る。
｢体温の回復？｣
｢そうよぉ。スクアーロったらイジワルなんだから。あなたにわざと雪の炎使わせて低体温症を起こさせたでしょ？ 念のため、ね｣
｢Aネーサンは雪の炎を使う度に低体温症になってたんですー。本人は使う度に酷くなって、今じゃコンマ数秒でも使えば意識低下して死にそうになるって言ってましたー｣
……なんてことをさせるんだ。
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小学7年生(プロフ) - モナ子さん» ありがとうございます！楽しんでいただけたようで何よりです(^-^) 頑張ります、ありがとうございます！！ (2020年9月24日 19時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
モナ子 - 面白すぎて一気に読んじゃいました！番外編最高すぎます…( ・∇・) こういうのって大体キャラ崩壊してるのに作者様のキャラはキャラのままで尊敬します！これからも頑張ってください！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: 2a3f107de3 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - めろさん» めろ様、コメントありがとうございます。大変お待たせしましたがこの度連載再開させていただきます。もしよろしければ暇つぶし程度にお使いください。作者の体調まで気にしてくださり感謝致します。めろ様も十分お気をつけくださいませ。 (2020年8月22日 20時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
めろ - 久しぶりにずっと楽しんで読めれる作品に出会ったので更新停止とても悲しいです（ ; _ ; ）書き直しの更新楽しみにまってます、世界情勢も大変な状況なのでお体にお気をつけてくださいね。 (2020年8月10日 14時) (レス) id: afb9e59317 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - トツキさん» トツキ様、コメントありがとうございます。そんなことを言っていただけてとても光栄です。できるだけ早めに更新出来るよう書き直しを進めさせていただきますので、お待ちいただけると嬉しいです。 (2020年5月26日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学7年生 | 作成日時：2020年5月2日 20時
