１１３話 ページ16
【A視点】
頭の整理を終えた私は預けられたお弁当を持って作業をするふたりの元へと進んだ。
足音に気付いてこちらを見た入江さんとスパナさん。
入江さんは酷く驚いた顔をし、スパナさんは、誰だと言いたげな顔をした。
｢初めまして、小村Aです｣
名前を聞いてもピンと来ないのか、スパナさんは入江さんに｢正一の知り合いか？｣と尋ねた。
｢知り合いっていうか、僕が一方的に知ってるって感じで……｣
｢いえ、私も存じ上げていますよ。これ、お弁当です｣
風呂敷に包まれたお弁当を手渡すと困惑したように｢ありがとう｣と言われた。
｢君一人かい？ 綱吉くんとか……｣
｢帰ってもらいました｣
こんな声出せるのかと自分のことながら驚いた。
抑揚のない声に何かを察した入江さんは｢向こうに行こうか｣とその場を立った。
｢この場でも問題はないと思いますが。スパナさんも関係者であると資料で確認しています｣
スパナさんを一瞥すると首を傾げていた。
何も知らないのか。
関係者であるならそんなことはないだろう。
無神経なその態度に奥歯を噛み締めた。
｢……分かった、ここで話そう。知っていることはなんでも話すよ｣
｢大体の想像はつくけどね｣と胡座をかいて再び座る入江さん。
わざと神経を逆撫でするな言動を選んでいるとしか思えない。
怒りを抑え込んで、落ち着いてから話し出す。
｢ご想像通り、私が聞きたいことは人工降雪計画についてです。最高責任者、入江正一さん｣
｢……すまないとは思っているよ｣
とりあえずの謝罪。
言い逃れなんてできないのでそうするのが一番早いと思ったのか。
それでも責任の所在は彼にある。
そして、非人道的な計画を企てたことは謝った程度では無くなったり、許されたりなんてしない。
｢スパナは無関係だ。ただ渡された設計図通りに機械を作った、それだけで……｣
｢それ、無関係って言わないです。麻薬の運び屋の話とかでもそうでしょう。知らないうちに運び屋として利用されていたとしても、問答無用で逮捕されます｣
この期に及んで仲間を助けようとしているのか、随分おかしな日本語を使う入江さんの言い分をバッサリと切り捨てる。
｢……どうしてこんな計画をたてたのか、しっかり説明してください。それによっては、私もきつい言い方をしたことを謝罪します｣
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小学7年生(プロフ) - モナ子さん» ありがとうございます！楽しんでいただけたようで何よりです(^-^) 頑張ります、ありがとうございます！！ (2020年9月24日 19時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
モナ子 - 面白すぎて一気に読んじゃいました！番外編最高すぎます…( ・∇・) こういうのって大体キャラ崩壊してるのに作者様のキャラはキャラのままで尊敬します！これからも頑張ってください！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: 2a3f107de3 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - めろさん» めろ様、コメントありがとうございます。大変お待たせしましたがこの度連載再開させていただきます。もしよろしければ暇つぶし程度にお使いください。作者の体調まで気にしてくださり感謝致します。めろ様も十分お気をつけくださいませ。 (2020年8月22日 20時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
めろ - 久しぶりにずっと楽しんで読めれる作品に出会ったので更新停止とても悲しいです（ ; _ ; ）書き直しの更新楽しみにまってます、世界情勢も大変な状況なのでお体にお気をつけてくださいね。 (2020年8月10日 14時) (レス) id: afb9e59317 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - トツキさん» トツキ様、コメントありがとうございます。そんなことを言っていただけてとても光栄です。できるだけ早めに更新出来るよう書き直しを進めさせていただきますので、お待ちいただけると嬉しいです。 (2020年5月26日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学7年生 | 作成日時：2020年5月2日 20時
