１０８話 ページ11
その日、お昼を食べ終えた京子ちゃんとハルちゃんを地上散策に連れていきたいとビアンキさんが言い出した。
ツナくんたちが帰ってきて以降怪しい影は見られない。
新たな敵となった白蘭という人の言葉どおり、決戦日の十日後まで何もないだろうと判断したとのこと。
そこで私たちも護衛として一緒に行くことになった。
最初は断ろうとしたが１０年後のフゥ太くんが｢入江正一さんに差し入れ持ってったら？｣と言ってきて、無視出来ない案件になったために参加することにしたのだ。
地上に出るためのエレベーターに乗っているとヴーヴーと警報が鳴り響いて、私たちを置いてツナくんたちは｢すぐ戻ってくるから｣とどこかへ行ってしまった。
力不足なのは自分でも分かっているが、疎外感を感じてしまっているのは確かだった。
戻ってきたツナくんたちの中には１０年前の、私たちの知るバジルくんが交じっていた。
彼のために何か、できればおむすびを作って欲しいと頼まれて私たちは一旦アジトへ戻ったのだった。
＊ ＊ ＊
｢ツナくん｣
１０年後の京子ちゃんとハルちゃんの家の様子を知るために並盛の地上へ出た私たち。
ランボくんとイーピンちゃんも連れてきたのにあまり悲しい雰囲気にするのもいかがなものかとツナくんに別行動をすることを提案した。
｢私がランボくんとイーピンちゃんの相手してるから……どうかな？｣
｢そうね、あまり時間もかけられないし……三十分後にこの十字路に集合でどうかしら｣
話を聞いていたビアンキさんは賛成してくれて、私の提案通りしばらくの間は別行動をすることになった。
｢ランボさん、ちょっとだけ公園で遊びたい気分なんだもんね｣
｢うん、いいよ。イーピンちゃんもそれでいい？｣
コクンと大きく頷くイーピンちゃん。
２人は少しだけ前を歩いて、私はその後ろを山本くんと並んで歩いていた。
｢私がふたりを見てるから山本くんは家見てきてもいいよ？｣
｢いや、オレはいいんだ。小村こそ見てこねーの？｣
｢私もいいの｣
この時代では私たちの身の回りの様々な人が行方不明となっていた。
親族や友人はもちろん、学生時代に少し関わった程度の人まで。
それなら両親だって例外ではないだろう。
私はこれ以上、辛い現実を見たくなかった。
公園に着いた私たちはブランコや滑り台で遊び始めるふたりをベンチに座って眺めていた。
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小学7年生(プロフ) - モナ子さん» ありがとうございます！楽しんでいただけたようで何よりです(^-^) 頑張ります、ありがとうございます！！ (2020年9月24日 19時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
モナ子 - 面白すぎて一気に読んじゃいました！番外編最高すぎます…( ・∇・) こういうのって大体キャラ崩壊してるのに作者様のキャラはキャラのままで尊敬します！これからも頑張ってください！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: 2a3f107de3 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - めろさん» めろ様、コメントありがとうございます。大変お待たせしましたがこの度連載再開させていただきます。もしよろしければ暇つぶし程度にお使いください。作者の体調まで気にしてくださり感謝致します。めろ様も十分お気をつけくださいませ。 (2020年8月22日 20時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
めろ - 久しぶりにずっと楽しんで読めれる作品に出会ったので更新停止とても悲しいです（ ; _ ; ）書き直しの更新楽しみにまってます、世界情勢も大変な状況なのでお体にお気をつけてくださいね。 (2020年8月10日 14時) (レス) id: afb9e59317 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - トツキさん» トツキ様、コメントありがとうございます。そんなことを言っていただけてとても光栄です。できるだけ早めに更新出来るよう書き直しを進めさせていただきますので、お待ちいただけると嬉しいです。 (2020年5月26日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学7年生 | 作成日時：2020年5月2日 20時
