３６話 ※嘔吐表現注意 ページ38
熱が出た時のような体のしんどさに、ふらりと地面に膝をついた。
「うっ……おえっ……」
吐瀉物が地面に吐き出された。
人前だという恥ずかしさと苦しさから涙が数滴一緒に落ちた。
今までのは耐えていただけ。
平気になったわけではない。
立ち込める鉄の匂いが最後の後押しになってしまった。
「A！」
「大丈夫か？」
俯いて静かに頷く。
私よりも酷い状態の人がすぐそこにいるのに、何もしていない自分がなぜ心配されているのだろう。
「たった今、ルッスーリアは戦闘不能とみなされました」
「よって、晴のリング争奪戦は笹川了平の勝利です」
「今宵の勝負はこれで終わりですが」
「今回より決戦後に次回の対戦カードを発表します」
チェルベッロの二人が交互に話す。
「それでは発表します。明晩の対戦は……雷の守護者同士の対決です」
雷の守護者はランボくんだ。
指をくわえて眠っているランボくん。
幼い彼にこんなことを強要するのは酷すぎる。
けれどもうこんなことやめようと、それだけは今日必死に戦った先輩がいる前では言えなかった。
チェルベッロが去るのと同時に戦いの舞台になっていたリングが音を立てて崩れ始めた。
ぐんっと腕を引かれて、体を強制的に移動させられた。
間もなく目の前にリングを構成していた鉄の棒が倒れて砂埃をあがる。
その場にいたら直撃していただろう。
「いつまで座ってんだよ」
「ごめん……ありがとう……」
「けっ」
そっぽを向いてしまった獄寺くん。
本当に迷惑をかけてばかりだ。
「ツナくん、ホントのこと教えて？ お兄ちゃん何やってるの？」
コロネロくんと帰ったはずの京子ちゃんがツナくんを問い詰める。
本当のことを言えず返答に困っているとリボーンくんが「相撲大会だ」と山本くんの肩から伝えた。
「リングでやるハイブリッド相撲大会やってんだ」
「密かにブームなんだぜ」
獄寺くんと山本くんがリボーンくんの嘘をより強固なものへと嘘で塗り固めていく。
「……Aちゃん、ほんと？」
「本当だよ。相撲ファンとしては見逃せないなって、見に来てたの」
誤魔化せているだろうか。
浮かべた笑顔は引きつっていないだろうか。
「てかあんた顔色悪いわよ？ こんなの見てないで早く寝なさいよ」
花ちゃんが指で私のおでこを弱めに弾いた。
全然痛くないのに、泣きそうになってしまった。
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小学7年生(プロフ) - 雛。さん» 雛。様、コメントありがとうございます！そのコメントが嬉しいです〜！！ちまちま更新しますので今後ともよろしくお願いします！ (2021年12月8日 18時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
雛。(プロフ) - 加筆嬉しいです。ありがとうございます (2021年12月8日 8時) (レス) @page11 id: 9ec0000aae (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 弥冬さん» ありがとうございます！ これからもニヤニヤしながら読んでいただけるよう頑張ります！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 霧菜☆紗理屋さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです！ これからも読んでくださると嬉しいです！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
弥冬(プロフ) - 面白くてニヤニヤが止まりません！応援してます (2020年4月14日 0時) (レス) id: 0c4007c939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学７年生 | 作成日時：2020年4月13日 11時
