１５話 ページ17
「座ったまま死にたいの？」
「クフフ、面白いことを言いますね。立つ必要がないから座っているんですよ」
パンテーラさんにも容赦なく殴りかかったヒバリさんだ。
攻撃に際して私にトンファーが当たらないよう配慮なんてしてくれないだろう。
私に被害が及ぶのが手に取るようにわかる。
だから立つ必要がなくても立ってくれ。
なんて、心を誤魔化すために少しおちゃらけてみるも効果はない。
ヒバリさんは「君とはもう口をきかない」と拗ねた表情になる。
「どーぞお好きに。ただ、今喋っておかないと二度と口がきけなくなりますよ」
収まらない減らず口にヒバリさんの怒りは既に頂点に達しているはず。
でもなぜだろうか、彼からいつもの迫力が感じられない。
よく見れば冷や汗をかいている。
ヒバリさんは素人でも分かるくらい気分が悪そうだ。
「海外から取り寄せてみたんですよ。クフフフ、本当に苦手なんですね」
そう言って何かのボタンが押されると、天井からは季節外れの桜が大量に顔を出した。
＊ ＊ ＊
あまりに一方的な戦闘状況。
ヒバリさんは白旗こそ上げないものの、勝敗は明らかだ。
聞き慣れない体を痛めつける鈍い音がとても恐ろしかった。
そんなシーンを見るのが嫌でずっと目を閉じ、力の入らない手で耳を塞いでいた。
どうしてこんなことに巻き込まれているのだろう。
ふと目を開けるとボロボロのヒバリさんが乱暴に髪を掴まれて倒れるのをすんでのところで阻止されるのが目に映る。
「なぜ桜に弱いことを知っているのか？あって顔ですね」
血が沢山出ている。
骨が折れてるかもしれない。
病院に行かないと。
「さてなぜでしょう……おや？」
止めに入ろうと立ち上がったものの支えなく立てるほど回復はしていなかったため、すぐその場にくずおれた。
私の頭には死という言葉が浮かんでいた。
それだけは食い止めないといけない。
「もうっ、もうやめてくださいっ！」
二人の方へ這いずって進む。
床に散らばったガラス片が私の腕に容赦なく傷を作っていく。
「這いつくばって、彼の真似ですか？あそれとも並盛中では芋虫の真似が流行っているとか？」
愉快そうな高笑いが施設を揺らす。
男はつま先でヒバリさんの顎を持ち上げた。
「いい事を教えてあげましょう。君レベルの男は何人も見てきたし幾度も葬ってきた」
伸ばした手は空を切るばかりで何も掴めない。
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小学7年生(プロフ) - 雛。さん» 雛。様、コメントありがとうございます！そのコメントが嬉しいです〜！！ちまちま更新しますので今後ともよろしくお願いします！ (2021年12月8日 18時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
雛。(プロフ) - 加筆嬉しいです。ありがとうございます (2021年12月8日 8時) (レス) @page11 id: 9ec0000aae (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 弥冬さん» ありがとうございます！ これからもニヤニヤしながら読んでいただけるよう頑張ります！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 霧菜☆紗理屋さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです！ これからも読んでくださると嬉しいです！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
弥冬(プロフ) - 面白くてニヤニヤが止まりません！応援してます (2020年4月14日 0時) (レス) id: 0c4007c939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学７年生 | 作成日時：2020年4月13日 11時
