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Q32:訪問 ページ33

その後、俺は虹村先輩と共に、如月先輩を校門で待っていた。
如月先輩は俺達を見て、驚いていたが……。

「……如月先輩。マジバにでも、寄っていきませんか?」

「えっ?」

「以前約束しましたよね。勉強を教えてください」

「あ……わかった」

「じゃあ、俺は帰るからまた明日な」

虹村先輩はそう言うと、離れていく。
如月先輩はそんな虹村先輩の制服の裾を掴むと、何かを話して手を振る。

(何だ?)

「行こうか」

「あ、はい」

気にはなるが、俺はとりあえず先輩について行く。
だが、如月先輩は俺が提案したマジバもファミレスも、全てを通り過ぎてしまった。

「……先輩?既にマジバやファミレスを通り過ぎてしまいましたが?」

俺がそう言うと、「うん。良いの」と如月先輩は言う。
良いって、既に住宅街だが……。
そう、いくつもの店を通りすぎて、今は住宅街だ。

(ここに何が……)

そう思っていると、如月先輩がある場所で立ち止まった。
そして、俺を振り返る。

「ようこそ。なんて……客間に案内するから、ついてきて?あと、食事にしようか。希望があれば言ってね」

如月先輩はそう言いながら、玄関を開ける。
俺はさすがに焦った。

「先輩!ここは?」

「私の家。って言っても、祖母から譲り受けたものだけど……」

「祖母……おばあ様の家、だったんですか?」

「うん。私の唯一の心の拠り所で、祖母の遺品」

先輩はそう言い、俺を案内していく。
すると、ある一室の前で止まる。

「ここで待ってて?」

「あ、待ってください」

咄嗟に先輩の服を掴むと、俺は引き止めていた。
だが、先輩は俺を怒るでもなく、振り返る。

「どうしたの?」

「……すみません、夕食ですが……」

「……良いよ。食べたいのを言って?赤司くんが好きなのでも良いから」

「なら……湯豆腐を主体にした、和食を食べたいです」

「わかった。あ、デザートとかは……怒られる?」

デザート?
そういえば、母さんが生きてた頃は、よく出てきたか……。

「いえ、問題ないです」

「じゃあ、食後に食べよう?夕食と一緒に作るね」

先輩はそう言って、来た道を戻って行く。
俺はその姿を微笑ましく思いながら、案内された部屋に入った。
そこには、多くの本が並んでいる。
俺はその中の1つを手に取った。

(相当な年季が入っている。だが、中身は傷んでいない……大切に扱われている証拠だ)

俺は先輩が戻るまでその本を読んでいた。

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設定タグ:黒子のバスケ+オリジナル , , 二次創作   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:アマユリ | 作成日時:2021年11月20日 16時

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