Q28:シャワー ページ29
その後も、話しながら進んでいく。
そのせいか、体育館を近くに感じた。
「失礼します!遅くなってすみません!ドリンクを持って来ました!」
先輩に続いて、俺も中に入る。
すると、異様な光景が飛び込んできた。
(なんだ?3軍も練習中のはず……何故集まっているんだ?)
先輩はその集団を見ると、驚くことなくその中心へと入っていく。
俺は少し離れた場所で先輩を見ていた。
「……倒れてから、どのくらいですか?」
「えっ、ああ……15分……」
「……そこ、通路になるので、開けるか練習に入ってください!」
先輩がそう声をかけると、俺と先輩を隔てていた人達が散らばる。
「赤司くん、ちょっと手伝ってくれる?」
「はいっ!」
「氷と濡れタオルがほしいんだけど……頼める?」
「第1体育館から、持ってきます」
「お願い。私はその間にこっちでできることをやっておく」
「わかりました」
俺は頷くと、ドリンクのカゴをその場に置いて、第1体育館へと戻った。
頭の中で最短ルートを探りながら、走る。
(あの倒れていた人物は誰だとか、余計なことは考えるな。とにかく、急げ)
第1体育館へ戻り、氷とタオルを手にし、保健室に寄って洗面器を借りると、第3体育館へ帰ってきた。
先輩は俺を見て驚いた顔をしたが、今はそれどころじゃないと、倒れた相手を優先させた。
体育館の壁に座って、休んでいると、先輩が小走りで駆け寄ってくる。
「赤司くん」
「先輩……倒れた人は?」
「軽い脱水症状。それより、氷とタオル……洗面器もありがとう。疲れた体にムチ打たせてごめん……監督には私から言っておくから、先にシャワー浴びて?」
「俺は大丈夫です」
「ダメ。男子は人が多いの。シャワー浴びれる時間も限られてる。だから、練習終わった人から順に入ることになってるの。赤司くんの練習は全て終わってる。だから入ってきて?」
「……わかりました」
俺はそう言って、立ち上がる。
確かに、人が多い。
この人数だと、入浴可能時間にも限りがありそうだ。
そう思いながら、俺はシャワールームへと向かった。
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作者名:アマユリ | 作成日時:2021年11月20日 16時