Q15:保健室へ ページ16
赤司side.
昼休みになり、俺は先輩の教室へと向かった。
「借り……ではないけど、助けられたお礼」と、言われたからだ。
(確か、2-3だったよな?)
そう思いながら1年の廊下を歩いていると、メールの受信を知らせる着信がなった。
その音は先輩が好きだと言っていたメロディだ。
(……なんだ?)
少し戸惑いながらもメールを開く。
『突然ごめんね?今日の約束、ナシで。保健室で今まで休んでたんだけど……歩けそうにないや……』
歩けそうにない?
大丈夫なのか?
ここは保健室にお見舞いへ行くべきか?
「……おい。さっきから、何をブツブツ言っているのだよ」
背後の声に俺は肩を跳ねさせた。
顔を向けると、緑間が立っている。
「緑間か……実はだな、先輩が怪我をして、保健室にいるらしいんだ」
「だから何なのだよ。俺には関係ない。お前がうるさいから、通り過ぎざまに声をかけただけだ」
「そう言うな。俺と君は同じ1年だろ?」
「その同じ1年に上からものを言われるのはカンに障るのだよ」
「それは君も同じだろ。まぁ良い。それで?先輩の見舞いに来るのか?来ないのか?」
「うっ……相手は女か」
「ああ。俺達が練習のとき、ボトルを渡してくれる如月先輩だ」
「名前を言われても、顔がわからないのだよ」
緑間はそう言うが、同行に頷いてくれた。
そこに、青峰と紫原も加わり、青峰からは「女がいねぇと、先輩もつまらない」と桃井も呼ばれた。
それから先輩の教室に寄り、如月先輩の好きな物を聞いたりしたが……いくつかは桃井がいなければ手に入らなかったものまである。
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作者名:アマユリ | 作成日時:2021年11月20日 16時