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第五十二話 ページ3

『もうわかんなくて……どうすればいいかも思いつかっなくてぇ…ひぐっ』

あれから、数十分

お酒が完全に回って、泣きじゃくりながら鬱憤を全部吐き出した
自分でもこう思ってたなんて知らなかったから、少し驚きながらも止まる事はなかった

『わ、たし…らだおのことっ…どう思ってるのかも、わかんなくって…ぐすっ…』

「まぁそうよね。思い出す前は好きだったんでしょ」

『……そう、なんです…ひぐ、思い出す前は…ほんとに好きで…ずっと……片思いでしたし、付き合ってからも、ほんとに幸せで……!だからっ…』

『なんで……!なんで、思い出しちゃったっんだろう……って』

そこで一気に涙が零れた

ずっと、ずっと心の中でうずくまってた感情が外に出てくた
お酒を飲むと感情の制御も出来なくなるし、涙が止まらなくなるから、できるだけ飲まないようにしてた

『私っ…どうしたらいいんですかね……?』

「────Aはさ、どうして好きになったの?」

『……え…?』

「ソイツ、どうやって好きになったの?」

ただひとつの質問に頭が停止した
脳が急に覚めてきて、酔いも無くなるんじゃないかと思うぐらいにはやっと冷静になってきた

私がどれだけ泣いても、困る事も嫌がることも見せずにそう聞いてきた

……どうやって、?

らだおの事どうやって好きになったっけ




あ、そうだ

『私、ギャングの人に誘拐されたんです』

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作者名:碧い唄 | 作成日時:2024年11月14日 2時

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