前世との絶縁【stgr】弐 (ページ14)

今日:3 hit、昨日:13 hit、合計:31,669 hit

第六十三話ページ14

次の日から毎日らだおに洗脳をされるみたいに同じことを言われた

どうせ戻っても居場所なんてない

私より強い人がどこにもいるから誰にも必要とされない

警察にもギャングにもなりきれない

こんな言葉を耳元で言われる
どれだけ泣いてやめてって言っても、らだおは笑って頭を撫でるだけ

信じたくなんてないのに、心のどこかでそう思ってしまう自分がいる
最近では悪夢ばっかり見て夜も眠れない

こんな私なんて、もうどこに行ってもお荷物だな

『っうぅぅ…ひぐっ……』

「あ、Aー？また泣いてるの？」

『っぁ……らだぁ』

「ん、おいで？」

らだおは腕を広げて私を待つ
私が頼るしかないって知ってて、こういう事してくる

泣いてるのも気にせずにぎゅっと抱きしめてくれるその行動に、少しだけ安堵してる自分がいる

「大丈夫だよ、俺は何されても一緒にいるからね」

『っうん、お願い…だから……一人にしないで…』

「んふふ、♡うん、いいよ？だからAも俺から離れちゃダメだよ」

頭を撫でられて、そんな事を言われる
これを断ったら本当に一人ぼっちになっちゃうんじゃないかって思うと、頷くしかできなかった

すごい嬉しそうな笑い声が聞こえて、強く抱きしめられる

なんでこんなに安心しちゃうんだろう
あんなに怖い思いしたのに、らだおがいないと不安で不安でたまらない

「ねぇ、A。いい？」

『……うん』

その言葉の意味くらい知ってる

知ってて了承した

ただらだおの行為をただ受け止めるしかできなかった