相棒 ページ42
「今日ノ任務ハー・・・」
元気よく己の頭の上で声を張り上げるのはAの鎹鴉だった六郎である。
六郎はAが鬼殺隊を脱隊後、就任した杏寿郎の鎹鴉に任命されたのだ。
そんな六郎も鴉の中でも老体にあたるが、若い鴉に引けず劣らず現役の頃と変わりなく動き回っていた。
今日も元気だなぁなんて思いながら任務の内容を聞き流していると、自分の話が聞き流されている事に気付いた六郎は怒りの声をあげる。
「オイ聞イテンノカ杏寿郎!」
六郎は少しお灸を据えてやろう程度で杏寿郎が普段から結い紐として使っている組紐を引っ張ると六郎の体を目に止まらぬ速さで鷲掴みにし、真顔で引き寄せた。
「焼鳥と親子丼・・・好きな方を選べ。」
「カ、カァッ・・・ー。」
あまりの迫力に六郎は咥えていた紐を離すと、杏寿郎はパッと六郎を解放して解かれた髪をゆい直した。
「まったく、六郎はオイタが過ぎるぞ!俺とした事が、焦って力加減を見誤る所だった!よもや、よもやだ!」
アッハッハッハッ!と笑うが、目が本気だった事に冷や汗を流した。
「さて、あまりゆっくりしていては集合時間に合わないな!急ぐぞ六郎!」
「グエッ!?」
杏寿郎は再び六郎を鷲掴みにすると頭に乗せて目的の方面とは逆の方向を走り出す。
「逆ダ!逆ッ!」
「六郎、ついにボケたのか?」
ズサァー!!と滑りながら急停止して、心配そうに首を傾げる杏寿郎の言葉に六郎の体はフルフルと怒りで震える。
「可哀想に、こんなに震えて、そろそろ六郎も引退を考えた方が・・・ー」
「オレハマダマダマ現役ダッ!!!」
カッツーーン!!!と六郎の渾身の一撃を食らう事になったのは言うまでもない。
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あまね(プロフ) - 続き気になる! (9月29日 0時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - meさん» いつも読んでくださりありがとうございますっ!!少しずつですが完結まで頑張っていこうと思います! (2020年10月22日 15時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 右の星を押したら既に投票済みでした..いつも楽しく読ませてもらってます!続きもがんばってください! (2020年10月22日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年5月13日 14時