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余興 ページ38

「ほぉ…我が刃…受け止めたか。」

『ぐっ、重っい…っ!』


Aの汗が床に落ちたのと同時に黒死牟は動き出し刀を引き抜いた。
斬撃によって受けた傷はあるものの、咄嗟に刀を身構えた事により身体が切断される事を防ぐ事ができたのだ。

もしこの咄嗟の判断がなければ今頃鬼になる間もなく死んでいたに違いない。
改めて己の直感に感謝したのは言うまでもない。


「その齢でこの判断力…人間としては…悪くはない…。」

『ぐっ…くっ!!』


2人のやりとりを他の上弦の鬼達は高みの見物というかのように眺めていた。


「へぇー、やるじゃないあの子。ちんちくりんなガキなクセに。まぁまぁ整った顔してるから食べてやらん事もないけど?」

「あんなに頑張っているんだ、もし負けたとしてもその時は俺が骨すら残さず極楽浄土へ連れて行ってあげよう。」

「いやいや童磨殿っあの物には芸術を感じます!是非とも亡骸は私の壺に!よろしいですよね?無惨様っ!」

「フン…その時は好きにするといい。」


無惨もまた、面白げにその光景を見届けていた。



「… 寧ろ賞賛すべき才能だ…しかし…人間は、脆い。」

『しまっ!!』


数百年以上歳の差もある上に力の作りが鬼と人間とでは遥かに違う為、Aの刀はいとも簡単に黒死牟に弾き飛ばされ手元から抜けてしまい、ガシャンと音を立てて落ちてしまった。


「…やはりまだ未熟…。」

『っ!!!』


黒死牟がすかさず斬撃と共に刀を払うが、Aは上手く避け、落とした刀を拾うと直ぐに体勢を立ち直して不知火で一気に距離を詰めた。


「これは中々…。」


そうこぼしたのは他でもない鬼舞辻無惨だった。


『炎ノ呼吸!弐ノ型、昇り炎天!!』

「甘いわ!!」


流石の黒死牟も見抜いていたのか、技を防いでから蹴り飛すと同時にAの身体に深く傷を負わせた。

Aの身体は床に勢いよく転がると、負傷した傷口から出た鮮血により辺り一面を赤く染めた。
しかし皆が驚いたのはその事ではなく、黒死牟の首は斬れていないものの、日輪刀が刺さっていた事に驚きの声を上げた。


「…見縊っていたのは…私の方だったのか…。」

「興が乗った、お前の望み通り私の血をくれてやる。」


拍手をしながらAの前に立つと無惨は指を喉に突き刺し笑みを深めた。


「…ただし、私の血に耐えられたらの話だがな。」


指を引き抜くとAの身体は大きく跳ねて、もがき苦しみ始めたのだった。

鬼になる事→←作者より



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あまね(プロフ) - 続き気になる! (9月29日 0時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - meさん» いつも読んでくださりありがとうございますっ!!少しずつですが完結まで頑張っていこうと思います! (2020年10月22日 15時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 右の星を押したら既に投票済みでした..いつも楽しく読ませてもらってます!続きもがんばってください! (2020年10月22日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年5月13日 14時

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