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可愛い君 ページ13

「姉上っ!鬼とはどのようなものでしたか!?」

『えっと、それは・・・ー。』

稽古の合間、休憩をとっているとお茶を持ってきた杏寿郎が好奇心溢れる視線で質問を投げかけてきた。

正直回答に困っていた。
最終選別で受けた時は、一々鬼を意識して斬ったりしていないからだ。
そんなAに助け舟を出したのは他でもない槇寿郎だった。


「杏寿郎、あまりAを困らせるな。」

「父上!ですが、オレは知りたいのです!鬼とはどのような生き物なのか!」


純粋無垢な子供だからこそ、時にその言葉は残酷で耳を塞ぎたくなる。


「鬼など、見ていて気持ちの良いものではない。」

「父上?」

「見ていても、哀しくなるだけだ。」

槇寿郎の頭に過るのは、涙ながらに笑顔を向けて最期まで母の務めを果たしたAの母親の顔だった。
今でもあの感触は鮮明に残っている。

あの時ほど、哀しい鬼退治はなかった。


「ならば!オレが父上を哀しませる鬼を一つ残らず退治いたします!」

「へ?」

『き、杏寿郎!?何を言ってるの!?貴方は別に鬼退治などしなくても私がっ!』

「いいえ!オレは強い姉上と共に肩を並べて戦いたいのです!」

『な、なりませんっ!!あんな野蛮な奴らの中に可愛い杏寿郎を投げ出すなんてっ!』


嫌だぁぁっと杏寿郎に抱き付いて喚くAに槇寿郎は顔を引きつらせた。


「姉上を泣かせる鬼が許せません!やはりオレは鬼殺隊に入ります!!」

『いや”あ”ぁあっー!お芋なら私がたらふく食べさせてあげるからぁっ私が柱になって養うからぁあっ!』

「オレは漢です!オレが柱になって姉上と父上と母上を養います!」

『嬉しいけどいや”あ”ぁっ!!』

「いや、さらっと柱になるとか言ってるんだがこの子ら。」


結局稽古はAの情緒が落ち着いてから再開されたのは、言うまでもない。

刀→←ただいま



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あまね(プロフ) - 続き気になる! (9月29日 0時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - meさん» いつも読んでくださりありがとうございますっ!!少しずつですが完結まで頑張っていこうと思います! (2020年10月22日 15時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 右の星を押したら既に投票済みでした..いつも楽しく読ませてもらってます!続きもがんばってください! (2020年10月22日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年5月13日 14時

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