後日談5 ページ46
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いつの間にか訓練場は二人の手合わせを目当てにやって来た兵士さんたちで、ギャラリーがいっぱいになっていた。
コネシマさんとシャオさん、どちらが勝つか言い合いをしている人達もいた。二人を慕っている部下の人達だろうか。
コネシマさんは剣、シャオさんは大きなシャベルを持って対峙している。
シャオさんが持っている物は、どうして剣ではなくシャベルなのかは聞いてはいけない気がする。
最初に仕掛けたのはコネシマさんだった。
剣とシャベルがぶつかり合い、金属音が鳴り響く。
コネシマさんはシャオさんに向かって剣を何度も振りかざし、攻撃する手を一切緩めようとしない。
対するシャオさんは、シャベルでコネシマさんの斬撃を防ぐ防戦一方だ。
sha「…はぁ…っ、そろそろ疲れて来たんちゃう？シッマ？」
kn「…身体が訛っとるんかもしれんな」
コネシマさんの体力が減り始めた頃合いを見計らって、防戦一方だったシャオさんが攻撃を仕掛け始めた。
コネシマさんの剣を弾き飛ばしてシャオさんがシャベルを振りかぶった瞬間、シャオさんが何かに気付いたように目を見開いた。
そして次の瞬間には、シャオさんが倒れていた。
コネシマさんはシャオさんの首元にナイフを突き付けていた。
瞬きをしている余裕なんて全く無く、私は思わず息を呑んでしまっていた。
「…俺の負けや、シッマ」と言って、シャオさんが倒れたままの状態で両手を挙げ降参のポーズを取った。
kn「せやから言ったやろ？今日の俺に喧嘩売ったことを後悔するんやなって」
sha「って言うか、俺から吹っ掛けたのに負けたのカッコ悪〜！！愛のパワーってやつか？お熱いなぁ」
「うっさいわ。なぁ、A！今の手合わせどうやった！？」と言って、コネシマさんはシャオさんに踵を返して私の方へと走り寄って来た。
「コネシマさん、凄く格好良かったです…！」
「カッコ良かった！？ほんまに！？」と、コネシマさんが嬉しそうに笑いながら言う。その笑顔を見てるとこっちまで嬉しくなる。
さっきまでの殺気立った雰囲気とは一変したこの空気感に戸惑っているのか、ギャラリーからは拍手が巻き起こっていた。
kn「あーあ、これから出掛けようと思ったのにめっちゃ汗かいてしもたわ。ちょっと自室でシャワー浴びて着替えるか」
「わ、コネシマさん！？」
コネシマさんはギャラリーの視線から逃げるように、私の手を引きながら訓練場を後にした。
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