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結局一緒に温泉に入ってくれることになった義勇に、Aは機嫌よさげに鼻歌を歌いながら躊躇なく着物の帯を解いていく。
「……」
義勇が視線のやり場に困りながら動けずにいると、Aは「義勇さん？」と言いながら不思議そうに義勇の顔を覗きこむ。
「…先に入っていろ」
そのまま自分に背を向けた義勇が、もしやこのまま入って来ないつもりでは、と感じたAは、素早い動きで義勇の着物へと手をかける。
「なっ、」
「早く脱いでください」
そう言って強引に義勇の着物を剥ぎ取ったAは、さすがに褌まで取る気にはなれなかったのか、そのまま「早く入ってきてくださいね」と言って脱衣所から出て行く。
そんなAに大きくため息をつきながら、なるべくゆっくりゆっくりと褌を外した義勇は、これまたゆっくりと浴室の中へ入り、身体を流しているAの隣に座る。
「義勇さん！見てください、外。木々に覆われていて、秘密の空間って感じでドキドキしますね」
「…ああ」
Aの姿を視界に入れないようにと頭から湯を被った義勇は、目を開けてすぐにかち合うAとの視線に、努めて平静を保ちながらゆっくりと足元へ視線を落とす。
「気持ちいいですねー」
二人で湯に入ったあと、義勇の気持ちなど知らぬようにそう言って笑うAに空返事をしながら、義勇は青々と茂る木に意識を集中させて、なんとか気を紛らわそうとする。
葉の上を動き回る青虫を見つけ、そんな風に動くのか、とやっと義勇の気持ちも落ち着いてきた頃、それを打ち壊すように「何を見てるんですか」と義勇に身体を寄せてくるA。
「…青虫」
背中に当たる柔らかな感触に気付かないふりをして義勇がそう答えると、「青虫？どこですか？」と不思議そうな声を出したAが木に顔を近付けるのに比例して、どんどんと義勇に身体を押し付ける形となっていく。
「…重い」
すぐにでも突き飛ばしてしまいたい気持ちを押し殺して義勇がそれだけ口にすると、「ごめんなさい」とすぐに身体を離したAは、「青虫可愛いですね〜。一生懸命葉っぱ食べてますよ」と青虫を指さす。
「…ああ」
もはやAの腕から滴り落ちる水にさえ扇情的な何かを感じてしまう義勇は、いよいよ限界を悟り勢いよく立ち上がる。
「！」
強く引かれた腕に義勇がAを振り返ると、目に入るのは紅潮した柔肌、潤んだ瞳、「もう少し一緒に」と動く熟れた唇。
理性なんて、あってないようなものだった。
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チーズ(プロフ) - レインさん» コメントありがとうございますー！！不器用、じれったいをモットーにして書いたものなので、そう言っていただいて嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございます！ (2019年12月17日 21時) (
レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 義勇さん不器用すぎていつ、くっつくんだ！早くくっつけ！クソッ！！見てるこっちがなんかアレだ！！(語彙力) 面白い！！ 完結おめでとうございます！ (2019年12月17日 20時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - たまごさんさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございます！！そうだったんですね！嬉しいです！次作でもどうぞよろしくお願いします！ (2019年12月1日 7時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
たまごさん(プロフ) - はああ・・・やはり良きです・・・完結おめでとうございます！！無惨様の作品は知らず知らずのうちに見ていました！！好きだなあと思って、作者誰だろ？と下にスクロールしたらまさかの・・・。僭越ながら次作でも応援させていただきます！！ (2019年12月1日 0時) (レス) id: 8760f7a678 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - orangeさん» こちらこそ、最後までお付き合い頂きありがとうございます！ぜひ書かせていただきます(^^)もうしばらくよろしくお願いします！ (2019年11月30日 23時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チーズ
| 作成日時：2019年11月13日 13時
