メガネちゃんと王子様っ！ (ページ26)

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「ねぇ、放課後映画行かない？」

RA「それめっちゃいい！行こ行こ！」

「あ、でも掃除あるんだった…」

RA「そんなの、あそこの地味メガネにやらせれば？」

「たしかにー！頼んだよー！！」

こくんっと頷く。

私の日常が戻った。こうしていれば、私はここで生きていける。
誰にも迷惑をかけずに、過ごせる。

教室に西日が入る頃

あとは黒板を消すだけで、制服を白くしながら黒板を消していた。

ｸﾞｯと背伸びして上の文字を消そうとした瞬間、黒板消しを手にする私の手に大きな手が重なった。

『っ…！

ホソク、先輩』

HS「1人？ほかの掃除メンバーは？」

『…わ、私…掃除好きだから代わってもらいました。』

苦し紛れの言い訳だった？
でも、ホソク先輩はふーんと言ってそのまま1番上の黒板を綺麗にしてしまった。

『すみません、制服…白くなっちゃいましたね』

HS「そんなのお互い様でしょ！もう、女の子なんだからもう少し気を使いなよ。椅子使うとかさ！」

『あぁ、たしかに…笑

ところで、こんな所に何の用ですか？』

HS「Aちゃんの勧誘……って嘘だよ。そんな嫌そうな顔しないで悲しい。

目安箱の回収だよ。ほら、生徒会だし？そしたら教室にAちゃんがいたからさ」

目安箱を顔の横に持ってきてﾆｺｯと笑うホソク先輩はやっぱり綺麗だ。お金持ちの顔をしてる。

『もう帰りますよ。わざわざ声掛けていただいてありがとうございました！』

ﾍﾟｺｯと頭を下げて横を通り過ぎようとするとホソク先輩が私のかけていたメガネをﾋｮｲｯと取ってしまうから急に視界が歪んだ。

『わぁ！ちょっと！何するんですか！』

HS「だって、チョークの粉着いてて気になるんだもん。」

『返してください』

HS「じゃあちょっとくらい俺に付き合って」

『なんでですか？！』

HS「ほんの一瞬だから

…本当の君と、話をさせて？」