エピローグ ページ1
その日は、雨が降っていた
屋根に雨水が落ち微かな音が鳴る
そんな些細音ですら、耳に入れば腹立たしく感じる
そして、この部屋の中で二人の青年少女が話していた
『ねぇ！いい加減にしてよ！お兄ちゃん！！もうやめてってば！』
荒げた声を出す少女
"お兄ちゃん"
と、青年を呼ぶことから彼女が妹なことがわかる
妹は、兄の服の裾をつかんでは離さない
考えを変えさせるため
説得させる
と、非力なくせに、力一杯服を握りしめていた
もう何回も説得を試みたのか、妹の声はガラガラだった
「五月蝿い！黙ってろよ！！」
妹と同様
声を荒げて袖から手を離そうとしている
薄っすら目に涙が滲んでいる妹だが
痛かろうに、足に無理やり指を剥ぎ取られそうになっているんだから
それでも妹は歯を食いしばってひたすらに
腕から指先全てに力を入れるばかりだった
『嫌だ…！私にはお兄ちゃんしかいないの…っ』
ついに涙が一粒零れ落ちた
喉奥から声を振り絞り、小さく呟いた
妹が兄に対しての純真な努力や思いですら、兄は見て見ぬ振りをする
『お兄ちゃん………やめてよっ…』
癪に触ったのか
妹の言動が引き金となった
握りつぶしたら消えて無くなりそうなくらいのか細い声
必死に振り絞った声は、思いは
兄に届かず終わった
小さな願望、希望での一言ですら
兄の癪に触るようじゃ、もう、どうしようもなかったんだろう
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(?????)ゆず(プロフ) - こう、なんでしょう、言葉に言い表せないものが何科あるきがするんです！このお話！ (2023年4月8日 12時) (
レス) @page3 id: b8157db853 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - 全部読んでて分かるこの悲しさと物語の尊さ・・・。好きです。 (2022年12月7日 20時) (レス) @page3 id: fc65f8a88c (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 凄く面白かったですよければもっと続編をたくさん書いてくれたらとても嬉しいです (2022年8月11日 10時) (レス) @page3 id: 25670c47bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゃべつ畑 | 作者ホームページ：あると思う？ないけど
作成日時：2022年6月12日 15時
