セイフク期限【Soya I】

Limit 13 ページ13

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「あれー、Aと、……猪狩じゃん」


「こ、こんにちは」




いざ、言おう！と思った時にタイミング悪く現れた、涼くんと、




「シスコン兄貴こえー、猪狩くん怖がってるよ？久しぶりだね、A、猪狩くん」


『瑞稀くん久しぶり……！』




涼くんの友達の瑞稀くん。


……ちなみにAの初恋の相手だったりする。




「オマエら一緒に帰ってんの？」


『んー、今日は別々で、さっき偶然見つけたの』


「そ、猪狩オマエAに手出すなよー」




ニッコリと綺麗に笑った顔を向けてくるけど、目が笑ってない。


瑞稀くんの言う通り、シスコン兄貴こえー、だ。




「あ、A、今日さ、はしもっちゃんとレポートやるからお邪魔するね」


『瑞稀くん、なら大歓迎……！』


「相変わらず、俺より懐いてんな……」




ガックリと肩を落とす涼くん、その気持ち分かります。


瑞稀くんを見るAの目はキラキラ輝いていて、


瑞稀くん彼女いるからね、と切なそうに笑ったAの顔を思い出した。


今も、好き？




『瑞稀くんみたいな優しいお兄ちゃんが欲しい！』


「えー、妹になる？はしもっちゃん、ちょーだいよ」


「イヤに決まってんだろ！！」




……いや、恋ではないか、


きっと、憧れか、言葉の通りお兄ちゃんを慕うような。





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