あのね (ページ3)

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｢そんなに桜のこと口開けて眺めてたら、花びら入ってくんで｣

その声を聞き我に返ると慌てて開いてたであろう口を閉じ、私に声をかけてきた方を見ると、こじけんよりも背が少し高いスラッとした身長、ふわふわの髪の毛が目にかかった特徴の男の子が私の前の席に座りながらこっちを見て笑っている。

｢く、口なんか開けてないよ...！｣

突然話しかけられ焦ったのか何とも間抜けな回答をしてしまった。そんな私をお構い無しに、そう？もう少しで入りそうやったけどな。そうからかってくる男の子の名前は佐野晶哉というらしい。

｢Aはさ、もう担任の顔みた？結構この学校では有名な先生らしいで。女子がキャーキャー騒いでたわ。｣

｢まだ見てない。どんな先生？｣

気になるなんて話していると予鈴が鳴り晶哉がやばいやばいと言いながら後ろを向けていた体を前に向け座り直した。

クラスのみんなも自分の席に戻り座ると同時に教室のドアがガラガラと開き先生が入ってきた瞬間、教室の空気が少し変わった。

｢あの人が噂の...? めっちゃイケメンやん｣

｢てか若くない？うちのクラスラッキーや｣

ざわつく女子たちをよそに教卓へ上がりスラスラと黒板に先生は名前を書きこちらを振り返った。

｢今日から、このクラスの担任を務めます。末澤誠也です。みんな一年間よろしく。｣

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