【残念イケメン】クロロにタゲられた 2

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「思ってたのと違うカップだけど、良いですね」


語彙力皆無なんだけど、彼にはちゃんと伝わったみたいで「気取って飲むよりこっちが好きだな」との相槌をくれる。

ここまで何分かかったんだろう。気付けば教室内はコーヒーの香りが充満していた。


講師から 飲むときのポイントを説明されて、いざ試飲。


「かんぱーい」

「あー両手でカップ持つの最高に可愛い」

「ん、なっ、」


コーヒーの感想じゃないって、ボケの天才かこの人。


「ごめんごめん、Aが初めて淹れたコーヒーに感動して」

「はぁ……」


いちいち楽しい思い出にするのやめてよ。萌え殺されるーにやにやしちゃうー。


「……淹れるの上手だね」


一口飲んで彼は顔を綻ばせた。


「ほんと？」

「うん、少人数分を入れるのって難しいんだよ」

「へぇ……バリスタに褒められるって嬉しい」

「オレ専属になってもらおうかな、なんて」


艶めかしく微笑まれてドキリとする。周りからキャァァアって声が聞こえてくるのはきっと気のせいじゃない。


「あ、えと……っ」


段々分かってきてる、彼が私を百面相させて楽しんでいるのが。


「もうなってるから……！」


自分で言っててしょーもな。だけど彼の驚いた顔が見られたから結果気にしない。
やってやったぜと思っていたら みるみる笑顔に変わっていく。花笑みって、これのこと？


「はぁ……オレ何回Aに恋しちゃうんだろう」





End

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