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「……ごめんね、嫌だった？」
「や、大丈夫です……」
こう絞り出すのが精いっぱい。
嫌悪感はないけれど、彼からはたまに危険を感じる。懐いたように見えても隙を見せたら食べられちゃう猛獣のような。
クロロさんは多分、すごく頭のキレる人なんだろう。私が警戒したり不安がったりするとすぐさま察して優しい雰囲気になる。そこが私を警戒させるんだ。
彼と容姿が釣り合っていないから不安になると思っていたけど、違った。悪魔のような手管を感じているからだ。今だってそう、油断したら絡めとられてしまうんだろう。
でもなぜだか、それでも良いやという気持ちになってしまった。
「……嫌じゃないから……今日雑誌で見たところ、一緒に行きたいです」
初めて会ったときと同じ、すごく嬉しそうに破顔する。彼がどうとかじゃなく、こんな可愛い人を私が放っておけない。
*
わらび餅は平らげて(案の定クロロさんの黒蜜は溢れた)、駅まで送ってもらう。昼間はとぼとぼ歩いたのに、今の足取りは軽やかだ。
私の乗る便が間もなく到着する。
「今日もありがとう。……早く会いたいよ」
「あっ、え〜と……私も、です……」
先日思い浮かべたことと同じことを言われてキョドる。
楽しいことはストレートに、そうでないことは優しく覆われて伝えられる。こんなに甘やかされて、良いんだろうか？
恥ずかしいとか照れるとか、色んな思いをごまかすように別れの挨拶をする。
「あ、じゃあ、また……か、帰ったら連絡します！」
待ってるね、と微笑む彼を後にして改札までの階段を下りた。
*
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ルイ(プロフ) - ハルさん» 全話お読み頂いてコメントまでありがとうございます！もう少し続きますので、どうぞお付き合い下さい(^^) (2021年9月12日 15時) (
レス) id: 2f35e832cf (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 初めまして！とても素敵な作品ですね！最後まで読ませて頂きました^_^続き楽しみにして待ってます！ (2021年9月11日 23時) (レス) id: 1ed1b10e6b (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 鼻毛太郎さん» それは後日談とするか未定で、まずはL◯NE風オチとなりました。ハイレベルなご感想ありがとうございます！長くなり失礼しました。 (2021年7月29日 8時) (レス) id: 2f35e832cf (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 鼻毛太郎さん» 徐々に侵食されているのを感じて頂けて嬉しいです！仰る通り、コンビニスイーツなので今後もふと思い出して「ああああ」となってしまえー☆という余白もあります。 (2021年7月29日 8時) (レス) id: 2f35e832cf (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あぁぁわらび餅読みました；；徐々に触れるレベルが進行していって、夢主ちゃんきっとわらび餅食べる度に今日の事を思い出してしまうんだ…と勝手に物語に深みを付け足して楽しみました…次は金平糖なんですね、楽しみです…；； (2021年7月28日 23時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2021年4月4日 13時
