___Mad Love Story

佐藤新くん ページ21

灰色の床、灰色の天井、灰色の壁……






私の周りは灰色だらけだ。









家具なんてひとつも無い。あるのは質素な布団だけ。









A｢いま、何月なんだろ」









こんな殺風景なところにいすぎたせいか、日にち感覚も狂ったようで……









A｢狂っているのは日にち感覚だけでなく……私も狂っているのかも｣









最近はこんなことまで考えるようになってしまった。









___ガチャ









そんなことを考えていたら私のご主人様が入ってきた。









新｢あ、A〜♪ちゃんと大人しく過ごしていたね、えらいえらい｣









この人の名前は佐藤新。私をおかしくさせた張本人。









A｢…………指示に従っただけ｣









新｢相変わらず素っ気ないね。何のために僕がこの部屋を用意したのか分かってる？｣









そんなの分かるわけないでしょ。私はあなたじゃないんだから。









喉元まででかかったこの言葉を必死に飲み込むのは、とても辛いものがある。









A｢わか、りません｣









新｢だよね〜









Aは僕じゃないもんね｣









この人、私の思考を読み取った…？









気持ち悪い……どうして分かったんだろ。









新｢ふふ。





まあ、この灰色も好きだけど、そろそろ飽きてきてさ。模様替えでもしようかなって



そのためにも｣









____グサッ、！！









A｢ぐふっ……！？｣









新｢材料が必要でね……









Aに手伝ってもらおうと思ってさ♡｣









この言葉と彼の笑顔が









私の冥土のお土産みたい。









ふふ、情けないわ……









きっと今、彼は満足気に私の血を使って模様替えをしているはず。




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さくら

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