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少し間があってから、『かしこまりました』ってちょっと引きつったような声と。
インターホンから、ぷちっと通話の切れる短い音。
壁に肘を突いたまま、先生がどS感たっぷりに首を傾げる。
翔「これでいい？」
「…ぁの」
翔「生意気に独占欲とか見せちゃって」
「…っ」
翔「望み通り、お前にだけ見せてやるよ」
低い声で囁いて、私を壁に押し付ける。
冷たい壁の感触にぞくっと背中が震えて。
それとは逆の熱っぽい唇に捕まって、顎を持ち上げるようにキスされて。
滑らかな長襦袢の布越しに、先生の身体が押し付けられたら。
身体中が、どくんっと熱を持つ。
「んっ、せんっ」
翔「……」
私の声を遮るように塞がれる唇の隙間から、絶え絶えに呟いて。
先生の肩に、夢中でしがみつく。
「せんせ、待って」
翔「だめ」
「やっ、ここじゃ、恥ずかし…っ」
唇から首筋へと舌先を滑らせる先生の前髪が肌をなぞって。
膝が崩れそうな腰を抱かれて、ぐいっと引き寄せられたら。
翔「この期に及んでなに恥ずかしがってんの？」
「…っ」
翔「てめぇの身体のことなんて忘れろよ」
耳を
翔「どうせ俺しか見えてねーんだろ？」
涙目で見上げる私を、覆い被さるように見下ろして。
翔「だったらそのまま俺だけ見てろ」
唇に噛みつく先生の指が、襦袢の紐を解くのに。
もうなす術もなく、ただ身を任せた。
・
・
NYで泊まったホテルと同じくらい大きなベッドの上。
ふわふわする身体を、ただ白いシーツの中で泳がせる。
壁際で結局立っていられなくなった私を、呆れたように抱き上げて。
「だらしねー身体だな」って呟きながら、先生はここまで連れて来てくれた。
私の独占欲は、先生の腕の中で好きなだけ満たされて。
私の身体は、ベッドの中で、溢れるほど先生でいっぱいになった。
くたっとなった私の背後で、「飲みもん取ってくる」って声だけ聞こえた方にくるんっと身体を向けて。
先生が出て行ったはずのドアを、シーツにくるまったままぼーっと見つめる。
いつまで経っても夢みたいで。
いつまで経っても好きすぎて。
でもそれが幸せで、胸がきゅぅぅぅってする。
「…これ以上いっぱいになったらどうする？」
独り言みたいに呟いたら。
目の前のドアが、ガチャっと開いた。
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作者名：あげは
| 作成日時：2016年7月6日 1時
