S e v e n t y. F i v e. ページ32
.
「剛、くん…」
こんなにいきなり、こんなに唐突に
心の準備も出来ていないのに、
神様は、余りにも残酷だ
剛「、A？」
きっと、貴方は、私にもう、会うつもりはなかった、でしょ？
西「A、 剛「ごめん、西島くん」
ｸﾞｲ
隆弘の声までも遮って、強引に
私の腕を引いた
私は、後ろから聞こえる隆弘の声に
西「、A、！」
反応できたのに、
振りほどくことができたその腕も
振り払わずに、
私は、拒まなかった
ごめんね、その手の暖かさが、
懐かしすぎたの
.
「…っ、剛くん、ここ…」
剛「ごめんね、話そう」
「…うん」
大きなマンションは、あの頃たまに来ていた、剛くんの家
ﾊﾞﾀﾝ
部屋に入ると、本当にあの頃から変わっていなくて
「あ、これ…」ﾎﾞｿ
私が選んだ木目調の棚
私が一番好きだったカーテン
私が誕生日にあげた小さな観葉植物
その部屋にも、余りにも私が溢れていて
写真たてには、まだ二人の写真が飾ってあって
まだ、そんなに想ってたの？
貴方から、別れを告げたんじゃない
剛「…僕は、君が嫌いになったわけじゃない、って言ったら、
信じてくれる？」
私の写真を手にとって、写真の中にいる私を見つめて、少し悲しそうに笑った
「…信じれるわけ、ないよ…」
どれだけ、苦しんだと思ってるの？
一途で、純粋で、素直な私を奪ったのは、
貴方なんだよ
ｶﾀﾝ
剛「Aさ、
拒んだの、覚えてる、よね」
「…うん」
剛「Aは、素直で、いい子で、可愛いから
あの頃から、ずっと人に好かれてた
でも、僕は、あの頃、Aに見合う男なんかじゃなかった
連絡が来ないだけで、不安になって、何度も携帯見て、
景色は変わらないのに、想いだけは先走って、
わがままさえ、嫌われるのが怖くて、言えなかった
本当はきっと、一緒にいるだけで、よかったのに」
優しすぎたのは、怖かったから？
その優しさに、気を遣ってたんだよ、私
大好きすぎて、愛おしすぎて、ただ、すれ違ってただけなの？
剛「いなくなったのも、居なくなるのが怖くて、
体を重ねれば、…僕だけのにできると思ったんだ」
.
S e v e n t y. S i x.→←S e v e n t y. F o u r. N i s s y.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 183人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ｻ ｴ ｸ ﾝ ! !(プロフ) - のぞみさん» いつもありがとう（ ; ; ）作り直しごめんね（ ; ; ） (2018年2月22日 21時) (
レス) id: 393abd6c01 (このIDを非表示/違反報告)
のぞみ - お久しぶりです。久しぶりに最初からストーリーをよみなおしてみるとたまりませんね。 (2018年2月22日 21時) (レス) id: 452fc965d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ｻ ｴ ｸ ﾝ ! ! | 作成日時：2018年2月22日 20時
