５８：昨日のことを思い出していると ページ8
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『 …私達は、応援してるから 』
カフェを出る直前、ソラは唐突に、そう口にした。いまいち意味を飲み込めていない私に追い討ちをかけるように言葉を重ねたのは、ミンギュくんだった。
M『 …Aの恋だって応援してるし、……それに俺達は、いい加減、ヒョンに前を向いてほしいんだ 』
ウォヌ先輩は、好きな人を諦めてからどれだけ苦しんだんだろう。何度もそんな想像をしたけど、結局、私にはわかり得なくて。
…だけど、2人がこんなにも切ない表情を浮かべるということは、相当苦しんだんだと思う。……それはきっと、今も。
叶わない恋を想う時間は、胸が張り裂けるように痛いだけ。…こんなこと、先輩が1番よくわかっているだろうし、それでも、一度本気で好きになった人を簡単に諦められるわけがない。そんな渦に、彼は多分、ハマってしまっているんだ。
……今の私がそれだから、先輩の気持ちが、痛いほどよくわかった。皮肉だなあ と、思わず苦笑いしてしまった。
『 ……だからA、お願い、無理しないで。自分の気持ちを、無視しちゃダメだよ、もっと大事にして 』
私の両手を包み込みそう言ってきたソラの目には、若干涙が浮かんでいた。真っ直ぐな視線に射抜かれて、私は何も、返すことが出来なかった。
そんなこと、言われたって……と、唇を噛み締めた。私には、先輩に今の恋を諦めさせることはきっと出来ないし、そんなこと、したくもない。私が想っているという事実は彼を困らせるだけだろうし、伝えるなんて、以ての外だ。
想っているだけで良い。……今はただ、そうやって偽善者振らせてほしい。…そうすることでしか、今の私の脆い状態を、保てる気がしないから。
MN『 ……おはよ 』
翌朝。ボーッと考え込んで歩いている内に、マンションの下に着いてしまっていたらしい。不意にミョンホの声が聞こえて、我に返る。
「 …あ、……おはよ 」
MN『 …危ないからぼけっと歩くのやめてくれる？』
「 ……あ〜……うん、ごめんね 」
いつもなら言い返すところを私が素直に認めてしまったからか、ミョンホは少し、目を大きくした。…申し訳ないけど、先輩のことで頭がいっぱいの今の私には、他のことは何も考えられない。
行こう と声を掛けると、ミョンホは短く うん と頷き、ポケットに手を突っ込んで歩き始めた。その隣に並ぶ。
MN『 ……なんかあったの？』
ミョンホがそう聞いてきたのは、電車に揺られている頃だった。
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アオコ(プロフ) - ハローさん» お返事遅くなってしまいほんとうに申し訳ないです…！コメントありがとうございます！これからもよろしくお願い致します…！！！！ (2020年11月21日 1時) (
レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
ハロー - 続き楽しみにしてます (2020年11月14日 22時) (レス) id: 5db7b589d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオコ | 作成日時：2020年10月18日 18時
