６９：後悔を後悔 ページ19
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我ながらグッドアイデアだと思って、つい声が大きくなってしまう。だけど そうだね と頷いたウォヌ先輩の表情は、あまり晴れやかではなかった。
「 ……あの…どうかしました…？」
先輩の反応を見て、何か聞いてはいけないものに触れてしまったような感覚がした私は、小さな声でそう聞いた。だけど彼は ううん、なんでもない と首を横に振って、食事の手を再び動かし始めた。
W - …金木犀の香りなんて、俺1人で知りたくなかったから -
W - あの子に教えてもらわなきゃ意味がないんだって、ずっと思っちゃっててさ -
……先輩は……今も尚想い続けている人と、何か、日本に関する約束をしたのかもしれない。金木犀は、日本で咲く花だ。
…だとしたら、私の発言は地雷以外の何物でもなくて。意図せず ごめんなさい… という言葉が、口を衝いて出ていた。
ハッとして顔を上げると、目の前の先輩も、私の謝罪に驚いたような顔をしていた。そのことが申し訳なくて、また謝りそうになってしまう。
W『 ……なんで謝るの 』
眉毛を下げそう聞いてきた先輩に、なんと答えれば良いのかがわからない。あの… と口籠ってしまい、後に続く言葉は出てこなかった。
せっかく、先輩と2人っきりで食事をしているのに……こんな重苦しい雰囲気じゃなくて、もっと明るく楽しいものにしたかったのに……。彼にとっても私にとっても 良い思い出 として、残しておきたかったのに……。
色々な感情や後悔がぐるぐると渦巻いて、油断してしまえば涙が出そうだった。……それだけ、悲しかったし、悔しかった。私が余計なことを言わなければ良かったのに…と。
俯いたままの私の耳に届いたのは ごめん という先輩の小さな声だった。弾かれたように顔を上げると、彼と目が合う。
W『 …ごめん、こんな空気にしたかったわけじゃないんだ 』
「 ……先輩… 」
W『 …せっかくAが誘ってくれたのに……ごめん 』
再び謝った先輩は、今度は軽く頭を下げた。そこまでされるなんて思ってもみなくて、情けないほどに掠れた声で やめてください… と言うのが精一杯だった。
「 ………先輩は…… 」
私の声に、導かれるようにして顔を上げた先輩と視線が絡む。今、私の喉まで出かかっている言葉。……これを、言って良いのかどうかはわからない。後悔してしまう気もする。……だけど、……だけど…。
「 ……先輩は、私といても………好きな人のことを、思い出しちゃうんですね… 」
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アオコ(プロフ) - ハローさん» お返事遅くなってしまいほんとうに申し訳ないです…！コメントありがとうございます！これからもよろしくお願い致します…！！！！ (2020年11月21日 1時) (
レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
ハロー - 続き楽しみにしてます (2020年11月14日 22時) (レス) id: 5db7b589d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオコ | 作成日時：2020年10月18日 18時
