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物語の世界に入り込んでいるのだろう。
あまりにも優しい顔で、綺麗な指で、ページをめくるものだから
同じ男の俺でも一瞬ドキッとして、声をかけて固まってしまった。
「…ウォヌ？」
こちらに気づいて、先程と同じ表情で名前を呼ばれて
またフリーズ。
こんな雰囲気出せるなんて聞いてない。
実は中身違う人です、とか現実味のないことを言われても今なら信じてしまいそうだ。
WN「…何読んでたの？」
「んー？見てみる？」
平然を装い
丁寧にブックカバーまでされた本を受け取って、数枚めくってみれば全て日本語で。
見てみる、って…読めないのわかるくせに
WN「Aヒョン…」
「わはは、ごめんて」
たまにヒョンはいたずらっ子の顔をする
無邪気で、歳上なんだけどどこか子どもっぽくて
いつもちゃんとしてる…？
うーん、大抵ふざけてるけど根は真面目だから
そんなヒョンのこの顔が俺は結構好きだったりする
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作者名：沖田 | 作成日時：2020年11月23日 2時
