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夜風はほんの少し冷たく感じる。
歩いていれば丁度だろう。
当てもなく進むAの背中を、半歩だけ下がって歩く。
「ウォヌって夜のイメージ、月光浴が似合うよね」
「暗いって言いたいのか？」
「まさか、怪しいって言いたかったんだよ」
「月光浴するには月が細すぎるな、もう少し大きくないと。それに今日は雲がかかってる」
「情緒があって良いじゃん」
外に出る時、スンチョリヒョンが玄関まで顔を出した。
「あーあ、そんな顔をするからジスヒョンにバレるんだよ」とでも言ってやろうかと思ったけどやめておいた。
あまりにも心配した顔をしていたからだ。
あれこれ聞き出したスンチョリヒョンには悪い事をしたと思う。
ただでさえジスヒョンからも同じことを詰問されただろうに。
「目的地は？」
「んーん、ないよ。ウォヌはどこか行きたいところある？」
「ヨーロッパ」
「良いこと言うね」
「大型の休みが取れたらどこか旅行にでも行くか。オレとお前と二人で」
「暖かいところで食っては寝てを繰り返したいな」
「一瞬で太りそうだけど」
「オレとウォヌにはちょうど良いんじゃない？」
Aが馬鹿にしたようにオレへ笑いかける。
ヒョンからその話を聞いた数日後、スングァンが目敏く「ウォヌヒョン、Aヒョンで遊ばなくなりましたね」と尋ねてきた。
どことなく探るように、あの上目遣いで。
そのことをAじゃなくてオレに聞いてくる辺り、あの子の賢さが垣間見える。
年下の子達は本当に人間が出来ていると思う。
思慮深く、みんなそれぞれ繊細に空気を読んでいて、遠慮する控え目さも持ち合わせている。一部を除くが。
その中でもスングァニはよく周りを見ている方だと思う。
オレみたいに無理やりヒョンの口を割ったりしないけど、それでも「何かが起こった」事を察してはいたんだろう。
つまりは、その通りだ。
実際その後二日間くらいは動揺したし、皿とコップもいくつか割った。
スングァニの言った通り、オレはAに何かと配慮してしまっている。
そうなると、当事者であるA本人がオレの変化に気付かないはずもない。
散歩と称し呼び出したのは、オレが何をどこまで知っているのか探るためなんじゃないかと思う。
他愛もない話を続けながら本題を待った。
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せの(プロフ) - 奈子さん» ありがとうございます！ (2019年6月23日 0時) (
レス) id: 73addbec04 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - いつきさん» ありがとうございます！ページの都合で一旦消したのですが、先程再投稿しました。お時間があるときにでも楽しんでいただけると嬉しいです。 (2019年6月23日 0時) (レス) id: 73addbec04 (このIDを非表示/違反報告)
奈子 - 評価一個じゃ足りないです、、！！！すごく大好きな作品です！！ (2019年6月22日 18時) (レス) id: a598e2ddc7 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - この小説の雰囲気がとても好きで、投稿されるのを楽しみに待っています。突然なのですが、今日出した続編は削除されてしまったのですか？スンチョルさんとの話はとても面白かったので少し残念です…これからも頑張って下さい！ (2019年6月22日 15時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - kinosuke20さん» 評価もコメントもありがとうございました。がんばります！ (2019年6月22日 10時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2019年6月6日 10時
