ウォヌと散歩 ページ42
ウォヌ視点
「ウォヌさんや」
宿舎の自室にオレがいることを確認したAが、ドアから半分だけ顔を出して声を掛けてきた。
「なんですか、Aさん」
「散歩にでも行きませんか？」
壁にかかった時計を見る。
夜の十時を回った頃だ。
次に手を伸ばしてカーテンを少しだけ捲る。
月は、もうすぐ消えて無くなりそうなほど欠けていた。
おそらくあと二日ほどで新月になるんだろう。
「いいけど、なんで今から？」
「なんとなく。今日一日ここから脱出してない事に気が付いて」
「A今日作業室行かなかったのか」
「うん、タイミングが悪くてね」
「……ふーん」
「でも仕事はしたよ、関係者に溜めてたメールは全部返信したし」
「そもそも溜めるのが間違いなんじゃないの？」
「ウォヌは手厳しいな」
同部屋のヒョンからAが襲われたと聞いたのは少し前の事だ。
やたらとスンチョリヒョンがAを傍に置きたがり、離れている時は目で追っていた。
ジュニの次はこっちかと楽観視していたのは一瞬で、ふとした瞬間Aの瞳が怯えるように揺れたのに気付き、それでヒョンから聞き出した。
半ば無理やり。
口を開かせるのに丸一日掛かった。
最初聞いている時は「いったいこの人は何を言ってるんだ」と思ったけれど、最近のAの様子を知っていればすぐに納得できた。
「どっか店入る？ジャージで良い？」
「店には入らないと思うけど、ジャージはダメじゃない？仮にもアイドルなんだから」
「だからAがちゃんとした服を着てるわけだ」
「ウォヌのジャージとは決別した！」
「じゃあもう着ない？」
「帰ってきたら着るに決まってるだろ、何言ってんの」
「はいはい」
立ち上がってクローゼットから適当な服を見繕う。
スンチョリヒョンによれば、気付いたのはオレが最初じゃなかったらしい。
ジスヒョンには速攻バレたらしいけど、まあそうだろうなぁ……
Aはと言うと、スンチョリヒョン以外には知られたくないみたいで、「追う目線を何度も諫められた」とヒョンが嘆いていた。
そういうわけで、シュアヒョンは何も知らないふりをしているらしい。
一応、オレもそれに倣うことにした。
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せの(プロフ) - 奈子さん» ありがとうございます！ (2019年6月23日 0時) (
レス) id: 73addbec04 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - いつきさん» ありがとうございます！ページの都合で一旦消したのですが、先程再投稿しました。お時間があるときにでも楽しんでいただけると嬉しいです。 (2019年6月23日 0時) (レス) id: 73addbec04 (このIDを非表示/違反報告)
奈子 - 評価一個じゃ足りないです、、！！！すごく大好きな作品です！！ (2019年6月22日 18時) (レス) id: a598e2ddc7 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - この小説の雰囲気がとても好きで、投稿されるのを楽しみに待っています。突然なのですが、今日出した続編は削除されてしまったのですか？スンチョルさんとの話はとても面白かったので少し残念です…これからも頑張って下さい！ (2019年6月22日 15時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - kinosuke20さん» 評価もコメントもありがとうございました。がんばります！ (2019年6月22日 10時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2019年6月6日 10時
