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「……お前たちは突拍子の無い事を言うところが似てるよね」
「でもね、それが本心なんだよ」
「どうして？」
「光に呑まれながら、後の事なんか考えもしないでこの瞬間を切り取ったまま終われたらって」
「そう思うの？」
「おかしいよね。アイドルとして時間が経てば経つほど、あの場所に立っていることを感傷的に思っちゃうんだ」
Aの目はずっと、定点から録画された僕達から離れない。
言葉だけでとらえるなら悲壮感も漂っていそうなことを言っているのに、Aが画面に注いでいる瞳はどちらかと言えば輝いている。
好奇心に満ちていて、機嫌すら良い。
「スニョンとオレは同じ言葉を思い描いてたけど、実際中身は正反対なんだろうな」
「たぶんね。舞台の上のホシはAみたいにマイナス思考じゃないし」
「あの人、アイドルしてる時は無敵だもん」
「ちなみに僕はステージで死にたいなんて思ったことないよ」
「毎回思ってるオレとしては、なんでみんなこの結論に至らないのか不思議でしょうがないんだけど」
「だって綺麗な景色は何度だって見たいでしょ？」
「そっか」
肯定も否定もせずそう頷いたAの目は、相変わらずモニター画面へ向かっているけれど、焦点はどこか合ってないような気がした。
さっきとは違う、物思いにふけるような顔に、違和感を拾い上げてしまう。
いつもどこかで、僕とAの考えがすれ違っている気がする。
すぐに曖昧な言葉で煙に巻くのは、きっとあまり深く探られたくないからなんだろうな。
みんなは「ジスが一番Aを解っている」と言うし、その通りだとも思う。
Aはきっと今から、僕が何かを考えだしたことに気付いて話を変えるだろう。
そんな予言じみたことさえ言える。
何がしたいとか、何が知りたいとか、そういうのだってなんとなくわかる。
だけど逆に、Aのことを一番理解できていないのも、僕なんだろうと思ってしまうんだ。
だってAがいつも何に怯えているのか、僕は理解できないから。
何でも知っているような顔をして、Aが本心を打ち明けてくれるのをただただ期待して待っている。
みんなが言う「Aを知っているジス」も、結局はたったそれだけだ。
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せの(プロフ) - 奈子さん» ありがとうございます！ (2019年6月23日 0時) (
レス) id: 73addbec04 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - いつきさん» ありがとうございます！ページの都合で一旦消したのですが、先程再投稿しました。お時間があるときにでも楽しんでいただけると嬉しいです。 (2019年6月23日 0時) (レス) id: 73addbec04 (このIDを非表示/違反報告)
奈子 - 評価一個じゃ足りないです、、！！！すごく大好きな作品です！！ (2019年6月22日 18時) (レス) id: a598e2ddc7 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - この小説の雰囲気がとても好きで、投稿されるのを楽しみに待っています。突然なのですが、今日出した続編は削除されてしまったのですか？スンチョルさんとの話はとても面白かったので少し残念です…これからも頑張って下さい！ (2019年6月22日 15時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - kinosuke20さん» 評価もコメントもありがとうございました。がんばります！ (2019年6月22日 10時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2019年6月6日 10時
