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釜山へ戻ってすぐに、3年生の受験シーズンがやってきた。
1年後に、私は何をしているんだろうか。
練習生に戻れなかったら、なんて考えて震える。
実力主義のこの国で、高校生活ろくに勉強しなかった私が就職できるとは思えない。
クラスにはすでに問題集と睨めっこし始めた子もいるし、担任も話の端々に受験をちらつかせ始めた。
とりあえず、卒業を目標に頑張ろう。
授業は先生の補助と、AIの力により音が聞こえなくてもなんとか内容にしがみついている段階だ。
もっとも、1年の内容がさっぱりなのでほぼ頭には入ってこない。
もう、勉強は諦めて練習に専念しようか。
そう思っても、耳が聞こえない上勉強までしない娘を両親がどう思うかと考えればなかなか踏み切ることなんてできなかった。
この時期の高校は、夕食も給食を食べ、9時まで補習が詰め詰めだ。
私は耳を理由に不参加を続けていたものの、両親の気持ちを考えると申し訳なくて最近参加し始めた。
しかし、一向に内容は入ってこないし、頭の中ではセルフ音楽だけが流れ続ける。
切り替えて練習でもしようと、補修を抜け出して誰もいない体育館に向かった。
受験シーズンのためか、権威を広げていた3年生はみな自習室に篭り、代わりに2年生が我が物顔で廊下を歩いている。
効果はないが気休めの補聴器をつけている私を見ると、転校生だと合点したらしく納得と好奇の視線を浴びた。
気になるなら、話しかけてくれればいいのに。
いまだに友達はハナのみである。
ひんやりとした体育館は照明が一つしかついていなくて、スポットライトのように見えた。
なんだかテンションが上がり、一つだけの照明の下で踊る準備を始める。
制服だから、激しい動きはできないけど。
動き出す直前、ひとつ息を吸う。
すぅ、
そして、ハッと気づいた。
「え？」
息を吸う音が、聞こえる？
試しに、手を合わせて拍手をしてみる。
ぱちり。
勢いよく合わさった手がかじかんだが、音は一向に聞こえなかった。
幻聴だったのだろうか。
首を傾げつつ、気を取り直してイヤホンをつける。
ただの集中するための癖で、音は聞こえない。
でも今日は、どこか期待してしまう自分もいた。
幻聴じゃなく、本当に耳が回復したんじゃないかって。
だから、また震えるだけのイヤホンを投げ捨てたいほど絶望したんだ。
「あいっし！！！！！！！！
え？」
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千笑 - お待たせいたしました。更新を再開させていただきます。 (2023年1月9日 13時) (
レス) id: 6154d9208d (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - いつも小説を楽しんでいただいてる皆様へ。作者の千笑です。私情により、ログインすることができなくなってしまったため、長期間更新ができないかもしれません。申し訳ありません。状況が改善した時にまたお伝えします。 (2022年12月28日 21時) (レス) id: 6154d9208d (このIDを非表示/違反報告)
Kokuma(プロフ) - めちゃめちゃ好みです！続きが楽しみです。 (2022年12月17日 21時) (レス) id: 9eeff62ceb (このIDを非表示/違反報告)
こまり(プロフ) - まさかの展開すぎてびっくりしてます。続き気になります！更新頑張ってください！ (2022年12月7日 23時) (レス) @page38 id: e86bc2c528 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 前々から読ませていただいているのですが、読んでてすごく引き込まれるし、読むたびに続きが気になってしょうがなかなってしまいます！！むちゃむちゃ好きです！！いつも更新ありがとうございます‥！！ (2022年12月7日 0時) (レス) id: 6864ce5b3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千笑 | 作成日時：2022年10月31日 10時
