25 ページ26
曲の完成に伴い、振り付けやパートも考え始めることとなった。
ボーカルは私が受け持ち、ダンスはハユンが引っ張り、ジヨンが調整やまとめをしてくれる。
「ジウナ遅い。テンポしっかり掴んで。」
「ジヨン休まない。そんなんじゃ一位逃すよ。」
はっきり言って鬼みたいに怖いハユンのレッスンだが、そのおかげで力の緩急や動きがすっと頭に入ってくる。
KPOPに多いスタイルではなく、どちらかといえばダンサーさんの作品のような、舞踊やジャズを取り入れたダンス。
私の歌がバラードに近い雰囲気だったのもあり、全く新しいジャンルで踊ろうと決まって、1週間ほど。
振りはすでに完成していて、あとは細かなところの調整だけとなったダンスだったが、問題はボーカルだった。
止まって歌う分には声量、歌い方の意識がしやすく問題はあまりないものの、動きが大きく激しいダンスを踊りながらとなると話は別だ。
息が途切れ、なかなか思ったようには歌えないのが現実である。
サビでは曲もダンスも盛り上がるため、どちらかを妥協しなければ声量が足りなくなりメロディーに負けてしまう。
期限まであと2週間、間に合うだろうか。
行き詰まって、だんだんと2人の表情も暗くなってしまうことが増えた。
そう悩んでいた時だ。
「ねえ
ジム行く？」
「「は？」」
突然のジヨンの提案に、私もハユンも首を傾げる。
「やっぱ、体幹と持久力が必要だと思う。縄跳びとか、走りながら歌ったり、体幹鍛えるのはどうかなって。」
ふざけがちなジヨンの真面目な提案。
「うーん。正直時間がないから、それで効果が出なかったら怖いのがほんと。」
ハユンが言う。
「私はいいと思うよ。どちらにせよ動きながら歌う練習はしないとだし、とりあえずやってみようよ。3日だけでもさ。」
2人でハユンに訴えかけると、ハユンが渋々と言った様子で頷く。
「3日で効果が出なかったらやめよう。いい？」
ハユンの念押しに頷きつつ、会社にある小さなジムに向かった。
結果として、ジヨンの作戦は成功と言えると思う。
縄跳びをしながら歌った時、初めはすぐにバテて全く歌えなかったし、そのときは私もダメだと思っていたけど。
繰り返し走って飛んで歌っているとだんだんブレが少なくなってきて、歌詞が聴こえるようになってきた。
翌日筋肉痛で踊れなかったから当分この作戦はしないと思うけど。
確実に生歌が上達しているのを感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 738人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「SEVENTEEN」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
千笑 - お待たせいたしました。更新を再開させていただきます。 (2023年1月9日 13時) (
レス) id: 6154d9208d (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - いつも小説を楽しんでいただいてる皆様へ。作者の千笑です。私情により、ログインすることができなくなってしまったため、長期間更新ができないかもしれません。申し訳ありません。状況が改善した時にまたお伝えします。 (2022年12月28日 21時) (レス) id: 6154d9208d (このIDを非表示/違反報告)
Kokuma(プロフ) - めちゃめちゃ好みです！続きが楽しみです。 (2022年12月17日 21時) (レス) id: 9eeff62ceb (このIDを非表示/違反報告)
こまり(プロフ) - まさかの展開すぎてびっくりしてます。続き気になります！更新頑張ってください！ (2022年12月7日 23時) (レス) @page38 id: e86bc2c528 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 前々から読ませていただいているのですが、読んでてすごく引き込まれるし、読むたびに続きが気になってしょうがなかなってしまいます！！むちゃむちゃ好きです！！いつも更新ありがとうございます‥！！ (2022年12月7日 0時) (レス) id: 6864ce5b3f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：千笑 | 作成日時：2022年10月31日 10時
