《完結》 Maison de tempete 【ars】 (ページ18)

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次の日は、成田で、仲良しの同期を迎えて、観光する予定だった。

『ニック！』

　「A！」

関係者出入り口から出てきた彼を連れて、レンタカーに乗り込む。

『ホテルは同じよね？』
　
　「もちろん」

ニックは、少しこっちよりの、だけどびっくりするほどのイケメン。

イケメンが多いうちの社のCAの中でも、ダントツ、って言っていいくらい顔が整ってる。(だけどこっちより)

おかげで私は仲のいい親友になったし、

ニックはニックで日本が好きだから、今回みたいにフライトが被ると案内することもある。

『まずは、やっぱり雷門じゃない？』

　「やったね！また行きたかったんだ」

二人で観光して、カップルに間違えられたりするけど、

まあ二人ともそんな気はさらさらないしｗ

浅草観光して、上野に行ってアメ横を練り歩き、お台場に行ってチームラボではしゃいで。

　「いやー日本は暑いね」

『そーね、ドバイの方が気温は高いけど』

　「この湿り気っていうの？より熱く感じるよ」

ニックは、浅草で大量に日本の涼しげなものを買いためて、リュックがパンパンで。

『そろそろ帰りましょ』

　「そうしよう」

ディナーは部屋に帰ってから、ホテルで食べよう、ってことになって、

帰り道を進む。

　「Aさ、もしかして恋とかしてる？」

『は？』

　

ちょっとびっくりして、急発進しちゃったじゃない！

『ないないない』

　「そう？肌の調子もよさそう、あ、ヤッたのか」

『ななな、それ以上変なこと言ったら殴っちゃうわよ！』

はは、ってあっけらかんと笑うニックに、

顔から火が出るんじゃないかってくらいはずかしくて。

ホテルについてからも肩パンしながら、部屋に向かってたから、

「A、」

『、な、んで、』

二宮が待っていたことなんて気づけなかった。

　「じゃ、おやすみA」

全部分かったゾ☆みたいな顔をしたニックが、

いつも見たく、おやすみのあいさつをしてきて。

『ん、おやすみ』

戸惑いながらもそう返したら、

二宮が、

腕を引っ張って、

私が手に持ってたカードキーで部屋を開錠して、

『ちょ、きゃ』

引きずり込まれる。