7話 ページ8
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「おはよ」
『…あぁ、おはよ』
“たまに喋るクラスメイト”に格上げして貰ったお陰で、返事をして貰えるようになった。
クラスのヤツらにも聞こえる声量で、自分語りをしたのは恥ずかしかったけど…まぁいい。
朝早くから学校で勉強している瀬川。
授業で当てられた、大学入試レベルの問題もスラスラ解くし、何でそこまで勉強するんだろう。
勉強している時の瀬川は、目が輝いてるし…うわ、ノートすげー綺麗。
『…何？気が散るんだけど』
「悪ィ…瀬川って、勉強好きなのか？」
『うん、好きだよ。すれば結果がついてくるから。
“個性”なんかとは違って、努力でどんな差も超えられるし』
「…確かにそうだな。“個性”は生まれた時に優劣がつくもんな」
そう言うと、『分かってるじゃん』と言って、目を合わせて微かに口角を上げた。
『私は努力が好きなんだ。天才じゃないから、何事もすぐには出来ない…だけど、努力をして、少しずつ出来るようになるって、素敵じゃん？』
『だから…この世界が嫌いだ。生まれた時に優劣がつく、この世界が。
無個性より個性持ち、弱い個性より強い個性…
無個性は何を努力すればいい？個性を奪う薬を開発する？個性を生み出す薬を作る？
…無個性は、他の分野を伸ばせと言われる。諦めろ、無駄な努力はやめろって。
無個性は、個性を持っていることを前提とする舞台に、上がらせても貰えない。
そう、例えばヒーロー。どんなに身体能力を上げたって、どんなに知識を身に付けたって、強い個性じゃないとヒーローにはなれない。
努力することを、侮辱しているとは思わない？』
そう言った瀬川の表情は、痛々しいものだった。
…無個性だからって、虐められていたのか。
『ま、私は無個性じゃないんだけどね』
「違うのかよ」
『希少な個性らしい。ヒーロー科の推薦を蹴って普通科に来た』
「…俺が貰いたかったな、それ」
そう言うと、『馬鹿だな、先生達は』とくすくす笑いながら言った。
『パッと見の個性の珍しさに騙されて…まさに反面教師。
心操の方が、ヒーローになるべき人材なのに』
「…お前の嫌いなヒーローに？」
『ヒーローが嫌いな私に宣言するほど、心操がなりたいヒーローに』
悪巧みが成功した子供のように笑う瀬川。
最後に一言だけ言った。
『ま、大学に進学するよりもヒーローになれ、って風潮はクソだと思うけどね。
学歴こそが全てでしょ』
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alto(プロフ) - コメント失礼します。この作品素晴らしいですね…！ヒロアカをみて私が何となく思っていたことがこの作品に詰め込まれていて嬉しいです！ (2020年8月10日 20時) (
レス) id: 22bf36de90 (このIDを非表示/違反報告)
ふえいと - 主人公の性格が何処と無くかっちゃんに似てて、あ、これは会ったら喧嘩になりそう……って思ったwww (2019年8月25日 23時) (レス) id: d2d6bf032c (このIDを非表示/違反報告)
沼津 - ギャル紙さんと同じ作者さんなんですね。今作も前作同様最高でした！！ (2019年8月19日 1時) (レス) id: d073c1529e (このIDを非表示/違反報告)
沼津 - ギャル紙さんと同じ作者さんなんですね。今作も前作同様最高でした！！ (2019年8月19日 1時) (レス) id: d073c1529e (このIDを非表示/違反報告)
月明かりと紅色(プロフ) - コメント失礼します……好きです、めっちゃ好きです。すごい面白かったです！読み終わってソッコーでコメントしに来ました、ヒロアカって主人公が1-Aの人とか将来はヒーローだったりするので凄い新鮮でした、素敵な作品をどうもありがとう！(人´∀`*) (2019年6月7日 20時) (レス) id: ce1b07ed69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴里風夢
| 作成日時：2019年3月17日 9時
