4話 ページ5
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隣の席の人が立つ。
その顔は、やけに何かを考え込んでいるようだった。
「心操人使。個性は……【洗脳】」
そう言った瞬間、小さな囁き声が聞こえ始める。
…いや、お前ら餓鬼か？丸聞こえなんだけど。
しかもまだ自己紹介終えてないぞ。
隣の席の人は、嫌そうに顔を顰めている。昔から色々言われ続けたんだろう…彼の過去なんて私には関係ないし、興味も湧かないけど。
囁き声はどんどん大きくなっていく。
「洗脳…やばいな」
「そんな個性あるんだね」
「怖くない？どうする、洗脳されたら」
「ていうかさー、洗脳ってまるで…」
あーこいつら
うっざ。
ーーーーー
俺が個性を言うと、まだ自己紹介を終えていないのに、囁き声が聞こえてくる。
「洗脳…やばいな」
「そんな個性あるんだね」
「怖くない？どうする、洗脳されたら」
その次に言われる言葉は分かっている。
俺が、一番嫌いな、言われたくない言葉。
「ていうかさー、洗脳ってまるでヴィラ…」
ガタンッ
教室に響き渡るほど、大きな音。
隣の席の、入試トップの人が立ち上がっていた。
皆の目線が集まる中、すうっと息を吸って一言。
『瀬川A』
本当にたった一言、そう言って今度はかたん、と小さな音を立てて座った。
…え、自己紹介？しかもそれだけ？
呆然と見ていると、オレンジ色の目が俺を捉える。
『あんたもさっさと座れば？』
「あ…あぁ」
言われた通りに座ると、囁き声の対象は彼女に変わった。
そんな囁き声なんか聞こえていないかのように、彼女は自分のオレンジ色の髪を指に巻き付けて、弄んでいる。
…もしかして、俺の為に遮ってくれた？
自分を犠牲にして？
じっと見ていると、痺れを切らして『何？』といった。
「…俺のこと、怖くないの？」
『は？』
「隣の席の個性が、【洗脳】とか…嫌だろ？」
恐る恐る聞くと、眉を顰めて斜め上を行く返答をされた。
『嫌も何も、あんたの個性に、てかあんた自体に毛ほども興味がない』
「え？」
それだけ言って、『もう話しかけないで』と釘を打たれた。
俺を異質として考えず、どうでもいい対象に含めてくれるのか…
それが嬉しく感じたけど…俺に毛ほども興味がないと面と向かって言われたのは結構、いや割とショックだった。
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alto(プロフ) - コメント失礼します。この作品素晴らしいですね…！ヒロアカをみて私が何となく思っていたことがこの作品に詰め込まれていて嬉しいです！ (2020年8月10日 20時) (
レス) id: 22bf36de90 (このIDを非表示/違反報告)
ふえいと - 主人公の性格が何処と無くかっちゃんに似てて、あ、これは会ったら喧嘩になりそう……って思ったwww (2019年8月25日 23時) (レス) id: d2d6bf032c (このIDを非表示/違反報告)
沼津 - ギャル紙さんと同じ作者さんなんですね。今作も前作同様最高でした！！ (2019年8月19日 1時) (レス) id: d073c1529e (このIDを非表示/違反報告)
沼津 - ギャル紙さんと同じ作者さんなんですね。今作も前作同様最高でした！！ (2019年8月19日 1時) (レス) id: d073c1529e (このIDを非表示/違反報告)
月明かりと紅色(プロフ) - コメント失礼します……好きです、めっちゃ好きです。すごい面白かったです！読み終わってソッコーでコメントしに来ました、ヒロアカって主人公が1-Aの人とか将来はヒーローだったりするので凄い新鮮でした、素敵な作品をどうもありがとう！(人´∀`*) (2019年6月7日 20時) (レス) id: ce1b07ed69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴里風夢
| 作成日時：2019年3月17日 9時
