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二十五話 ページ25





『焼肉、美味しかったです…!』


「ちょっと食べ過ぎちゃったね…
体重……はぁ」



幸せそうに食べているのを見て、ついつい頼み過ぎた。
…まぁいっか。打ち上げだし。



「そういえば辛い物得意なんだね」


『今まで気付いていなかったんですけど、そうみたいです!全然辛くなくて、驚きました…』



“激辛カルビクッパ”という焼肉屋で一番辛い料理を普通に食べていた。

俺も頼んだけど、結構辛かった。相当強いんだろうなぁ…



「俺も辛い物好きだし、一緒に激辛巡りでもする?」


『いいですね。その時は私が奢ります!』


「まだ気にしてたの?別にいいのに…
じゃあ、お願いしようかな」



はい、と言って微笑んだAちゃんが、急に眉を顰めた。
…?どうしたんだろう。

Aちゃんが見ている方向を見るため、振り返る。



「Aちゃん!久し振りだねぇ」


『由菜、ちゃん』



由菜…?あ、Escapismのもう一人のボーカルか。
じゃあ気まずいんじゃ…

そう思ってAちゃんの顔を盗み見ると、少し青ざめた表情をしていた。



「隣の人が…Liarさん?」


「え?」



言ったの?と目で訴えると、ふるふると首を振った。
…声で気付いたのか。

元バンドメンバーなら、気付いてもおかしくない。
俺がLiarかどうかは、鎌をかけたんだろう。



「…それを知って、どうするの?」



冷静にそう聞くと、意地の悪い笑顔を浮かべて、言い放った。



「呟いてあげようかな〜!
…皆が探している人はここにいますよーってね」


「!」



明らかに俺、まふまふに向けた言葉。

そうだ、彼女はまふまふのリスナーだった…



「…何が目的なの?」


「えっとですね〜お兄さんに、Escapismの新曲を書いて貰いたいんです!」



…嫌だ。

なんでAちゃんを見捨てた人達のために、曲を書かなきゃいけないんだ…


黙っていると、スマホを掲げて見せた。
いつでも呟けるって脅すように。
…最低だな、この子。



「……分かった」


「やったぁ!あ、名義はどれでもいいですからね!!」


「………」



イラッとして思わず舌打ちをしそうになったけど、何とか耐える。

あの軽やかな足取りすら苛つく…



『……あの、全然話についていけなくて…
もしかして、真冬さんにはLiar以外にも名義が…』


「Aちゃんには関係ないから。ごめんね」



頭にポンと手を乗せた後、無言のまま歩き出す。

いつの間にか、手は離れていた。



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作者名:鈴里風夢 | 作成日時:2019年2月2日 17時

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