拾 ページ10
縁側に座って「話でもするかァ」と聞く。その餓鬼はこくりと頷き、俺の隣に座った。
こんな見た目をしてる俺と話をしようと聞かれて、迷いなく頷く奴なんて何を考えてるんだか。
まァ断れなかっただけだろうけど。
「俺は不死川実弥だァ。」
「竈門、Aです」
にこりと華奢に笑うA。十歳を越えたか、それくらいの歳でも落ち着きがあって大人っぽく見えた。
風に揺れる髪が似合っていて、逆にそんな風に思う俺を風はからかっているようだった。
「お前、兄弟とか居んのか。」
「あ…沢山います。けど、今は姉と兄だけです。」
そう言えば、胡蝶達が家を鬼に襲われたとか言ってたな。『兄』と言ったときに感じた微かな哀愁が気になった。
「あ…、…お兄ちゃんに、嫌われてるかもしれないんです。」
「何でそう思うんだよ。」
「…避けられているみたいで。…私、病気で弱くて。薬が必要なんです。
お金を稼いでいたお兄ちゃんからしたら、そりゃ、嫌だったろうな、と…」
俺はAの両頬を両手で掴む。
「何言ってんだよ、妹が嫌いな兄は絶対に居ねェ。」
「…あ…」
手を離してやる。Aは「そうなのかな。」と言ってうつむく。
見れば肩が大きく揺れている。その頻度は徐々に狭くなり、声と共に息が漏れていた。
「お前…木陰とは言え、日に当たってんじゃねェ、体力消耗してたんだろ。」
「っあ、不死川、さん、」
苦しそうに息をするA。首は汗が滴っていて眉間に皺が寄り、辛いのが目に見えて分かる。
多分、治める方法は一つ。
「…」
「っん、」
後頭部を片手で寄せて、口と口を合わせる。柔らかで潤った唇は、何度もしたいと思うような甘い毒で溢れていた。
けど、そんなのは許される訳も無く、最初に漏れていた呼吸は正常になり必要のなくなった接吻を離す。
「っ、すまねェ。」
「だ、大丈夫です。…ありがとう、ございます」
こんな自分にうんざりしている、と言う感じだろうか。Aは俺と別れるまで目を合わせなかった。
日に当たって体力が失われた、と思ったが。
「(家族の話で『愛情』を求めた)」
辛い思いをさせた、二つも。
家族の話をすると接吻を迫る、と胡蝶に教えようとしたが接吻をしたのがバレなくないので言えなかった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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にゃるす。(プロフ) - 最高でした!!細かい描写とキャラ達の心情が凄く心に刺さりました!!こんな素晴らしい作品を作ってくださり有難うございます!!! (2023年1月30日 21時) (レス) id: fbac834549 (このIDを非表示/違反報告)
Turtle(プロフ) - 色々とやばかったです、、、。゚(っ´;ω;`c)゚。 (2020年11月30日 23時) (レス) id: ae287d31c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 最高です!義勇好きにはたまりません!最高です! (2020年8月7日 14時) (レス) id: c22bf512a4 (このIDを非表示/違反報告)
リーのアニメ部屋 - アアアアアアアアアア!!千寿郎好きだから感謝!頑張って! (2020年8月5日 3時) (レス) id: 9f28f3c3ee (このIDを非表示/違反報告)
暁明(プロフ) - 銀時さん» 読んで楽しんでくださって嬉しいです。面白いお話作り頑張りますね。 (2020年4月28日 13時) (レス) id: 14dbba7e04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ice.11 | 作成日時:2020年3月28日 15時