すいかとみかんとママレード(黒×橙) (ページ8)

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想像していたより高校生活は楽しくなりそうだった。

入学式の日に康二と友達になって、女の子では真央という可愛い見た目ながらもサバサバした友達ができた。

「ただいまー」
「お帰りー」
「お帰りお姉ちゃん」

あれ、

「ラウ、もう帰ってたの？部活は？」
「何か、部活の働き方改革とかいうので今日は休みだった」
「へえ」
「おいA！俺無視すんなよ！」
「だってお兄ちゃんいつもいるじゃん。どうせ今日全休とかでしょ？」
「おー、やっぱ辰哉のことよくわかってるなあ」
「違うよ。てか急に下の名前で呼ぶのやめてって」
「おい！」
「ふっかさん静かに」
「ラウもやめろよ！お前も深澤なのに俺のことふっかって呼ぶのおかしいだろ！」

「ありがとう。
そうだね、俺も深澤」

「違う違う、そういう意味で言ってないから」
「分かってるよ。ありがとね、お兄ちゃんもお姉ちゃんも」

ラウの言葉に、私たちは顔を見合わせ微笑んだ。

大学2回生のお兄ちゃん、辰哉と、中学3年生のラウール。
私とお兄ちゃんは、ラウとは血の繋がりはない。

ラウが養子として私たちの元にやって来たのは今から2年ほど前、彼が中学生になる前だった。

事情を抱え捨てられていたラウをお母さんが見つけ、いろんなことを乗り越えラウは私たちの家族になった。

血縁関係がないことが分かりやすいのもあって、海外の血が入っている子はさらに引き取ってくれる人間は少ないからこそ、家族として受け入れることにしたんだ。

蓮もそのことを知っているし、ラウは蓮にとても懐いている。

ラウは本当にいい子で、何ならいい子すぎるんじゃないかと思うこともあるから、こうやってもっともっと甘えてほしい。

ラウと家族になれたこと、私もお兄ちゃんも皆嬉しいから。