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(Ren side)
"幼馴染でいてほしい"
結構堪えるな。
でも、ああ言われたらもうしょうがない。
約束通り、俺は電話を掛けた。
.
"めめ？"
1コール目で出た康二。
「聞こえてただろ、Aの本音」
そう、こうすることは康二と決めてたんだ。
俺がLINEしてから、Aの部屋に行くまで全部。
俺らがAにしたことはお互い様だから、2人で舞台じゃないけど整えてしようって決めた。
「でも、好きな人とこれから結ばれるやつに電話する方の気持ち考えるべきだろ」
"ハグしたそっちが言うことちゃうわ"
康二が笑う。
「え、分かってたの？」
"察したわ。俺終わった思たで"
自然に笑みがこぼれた自分がいた。
"めめ"
「ん？」
"ホンマにありがとうな"
「もういいって」
"Aのこともう絶対離さんから"
「何で本人の前に俺に言うの？」
また笑いながらそう言うと、康二は"そうやった"と言った。
「じゃあな」
"うん"
電話を切って部屋を出ると、すぐ横に辰哉くんが壁を背にして立っていた。
「おう」
「おうじゃねえよ」
辰哉くんが壁から離れる。
もしかして、
「...聞いて、た？」
「まあ。蓮が部屋入ってから全部？」
「恥っず...」
「聞いてたのが俺だけで良かったと思えよ？ラウ今日たまたま図書館に勉強しに行ってるし」
辰哉くんの目線の先は、Aの部屋の隣にあるラウールの部屋。
「言いたいことは色々あると思うけどさ」
辰哉くんが真面目な口調になる。
「Aのこと、許してあげてほしいんだ」
「許すも何も、もうしょうがないし」
「でも、思うことは色々あんだろ？しょうがないってすぐ切り替えられたら恋愛で苦しむことなんてねえじゃん」
「...まあ」
核心をつく辰哉くんの言葉に思わず本音が出た。
「俺に似てAもモテるのは嬉しいけど、まさか蓮もとはな。
もっと早く気付いてお前に相談乗れればよかったのにごめんな」
「...俺に似て？」
「そんなことないよとかじゃねえのかよ！」
相変わらずの辰哉くん。
俺も相変わらずか。
今頃、2人はハッピーエンドかな。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2021年9月19日 23時
