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(Ren side)
「ごめんな、めめ...。
Aと別れたんは、結局自分のためなんよ」
俺は瞳に涙を浮かべながら首を振る。
康二も同じ瞳だった。
初めて知った康二の過去。
Aが好きなんだから、いくら相手が俺でも、譲らない態度を取ればいいと勝手に思ってたけど、
康二の気持ちはそんな単純なものじゃなかったんだ。
「やからさ、めめ」
呼びかけられ康二のほうを見る。
.
「Aに告白してええからね」
「...そんなことできるわけ、」
「めめのことやし、ずっと言いたかったんやろ？もう我慢せんくていいんよ」
何でそんな優しいんだよ。
だって、
「...康二だって、本当はまだAのこと好、」
「俺は自分からAを振ったんやから、めめがAに何しようと何か言える立場ちゃうし」
「康二」
「それにめめがこのまま正直に何も言わんかったら、俺が振った意味なくなるやん。
2人がどんな結果になろうと俺は受け入れるよ」
.
康二が、まだAを好きなことはどう見ても分かった。
でも俺も俺で、
誰かに話すことも、想うこともダメだと思っていたAへの気持ちが積もり過ぎて、窒息してしまいそうで。
.
康二。
A。
.
俺、ズルくなっていい？
「...いつか、Aに話していいかな」
俺が康二にそう問うと、康二の目からはとうとう涙が流れて、でも頷いた。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2021年9月19日 23時
