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(You side)
「今日楽しかったな」
「うん楽しかった」
康二と初めてのデート。
彼もおしゃれだし、何より道中も、最初こそ康二はちょっと緊張してるように見えたけど、それでも終始笑いっぱなしだった。
ずっとこんな日々が続けばいい。
たかが高校生が、って思われるだろうけどそう思った。
「ありがとう、わざわざ家まで送ってくれて」
「ええねん。彼女送るってやってみたかったんよ」
康二の言葉に笑顔になった後、繋いでいた手が離れる。
そして彼は、普段あまり見せない真剣な表情で、
「好きやで」
「...私も」
「...照れたやろ」
「康二こそ」
そう返すと、なことないし！と真っ赤な顔で言い放った。
「じゃあね」
「うん」
帰っていく康二の背中を見続けていると、予想通り彼は途中で振り返ったから、また手を振った。
「ただいまー」
すると家に入った瞬間お兄ちゃんが私を手招きして、そのまま彼の部屋に入らされた。
てか、ちょっとテンション低くない？
「何？」
「何で彼氏できたって俺に言わねーんだよ」
「えっ？」
それもたまたま、私と康二をショッピングモールで見かけたらしい。
「最悪...」
「それは俺の台詞だよ！挙げ句の果てに秘密とか」
「いやお兄ちゃんには言わないよ」
「何でだよ！」
「何か嫌だもん」
「それが一番傷つくんだよ！」
「てかそもそも人に言ってないし。言ったの友達の１人とか蓮ぐらい」
そう言うとお兄ちゃんは急に黙りこくって、考えているような顔をした。
「どうしたの？」
「嘘だとは思ったけど、
蓮は知らないって言ってたぞ。お前の彼氏」
え？
「何で？」
「俺に聞かれても。とにかく、本人は知らないの一点張りだった」
そう言い残してお兄ちゃんは部屋を出た。
何で蓮がそんな嘘？
彼氏って断言したら、お兄ちゃんがショック受けると思ったのかな。
それぐらいしか納得する理由が見当たらなかった。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2021年9月19日 23時
