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そしてテストが終わったまたある休日のこと。
「蓮ー。辰哉くん来てるよ」
「辰哉くん？」
お母さんに呼ばれリビングへ降りると、ソファーでくつろぐ辰哉くんがいた。
「おはよー」
「どうしたの？」
「今日何か用事ある？」
「いや何もないけど」
すると辰哉くんはニヤッと笑って、
「今から買い物ついてきてくんない？」
「俺が？」
「うん。服買いたいから」
「いいけど、何で俺？」
「蓮おしゃれじゃん。それにAは用事あるとかいっていないし、ラウは受験生だからむやみに誘えないっしょ」
Aの用事って康二とだろうか。
なんて勝手に考えた。
「じゃあ早速行こうぜ！」
気付けば電車に乗っていて、気付けばショッピングモールに来ていた。
「いやーまさか蓮と買い物デートする日が来るとは」
「最初で最後のね」
「最後とか言うなよ！」
「デートとか言うからじゃん」
「ショッピングモールはベタなデートスポットでしょ。ほら、あのカップルだって...ってえ？」
辰哉くんの表情が突如変わる。
「どうしたの？」
「あれ、Aじゃない？」
「え？」
「てか隣の奴誰だよ！」
辰哉くんが指差した先にいた、明らかにお出かけの服を身に纏ったA。
あんな綺麗な服着てるの見るのはいつぶりだろう。
学校以外で俺が見てきたAは、スウェットとかパーカーとか、ラフな服を着た姿だけ。
そしてその隣にいる、古着っぽいおしゃれな服装をした康二。
俺らに気付いていない2人の顔にはまた笑顔だけがこぼれてる。
「用事ってデートかよ！てか蓮、Aの隣にいる奴誰？」
辰哉くんは聞いてないんだ。
隣にいるのは、俺の親友で、Aの...。
「...いや、知らない」
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作者名：キキララ
| 作成日時：2021年9月19日 23時
