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(Raul side)
"ちゃんと言ってくれて嬉しかった"
これからも当たり前に、ちゃんと言うよ。
僕にとってAさんとのことは、誰にも否定したくないしされたくないから。
それから小一時間後。
Aさんはカルピス、僕はラムネを手にベンチにいる時。
会場を花火が照らす。
「うわー！ラウールくん、綺麗だね！」
「ふふっ。うん、綺麗だね」
「ねえ笑ってる？」
「ううん。
ねえ、」
「ん？」
「...Aさんへの呼び方、いつか変えてもいい？」
「う、うん。...ちなみに何に変えるつもりなの？」
「...Aちゃんとか」
「え、あんまり変わんないじゃん」
「そう？僕にとってはめちゃくちゃネクストステージなんだけど...」
「うそ！呼び捨てされるかと思ってドキドキしてたのに」
「呼び捨ては...それもいつか...」
「何年後？何十年後？」
花火を見ながらそんな会話をする。
僕はドラマや映画みたいに、花火を横目に手を繋いだりは出来ない。
でもそれで、僕らしくていいはず。
綺麗な作品やかっこいい蓮くんを真似しても、僕らしさがなきゃ、自分の意思がなきゃ、きっと彼女には伝わらないから。
だけど。
.
「...Aちゃん」
呼んでみたかった。だからこれは僕の意思。
ドラマにありそう？
でも、たまにはいいよね。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2022年12月1日 17時
