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「ねえ何食べる？」
「最初だし、かき氷とか？」
「そうしよ！」
好きな人も自分を好きでいてくれる。
それが私にとって一番の幸せ。
「あ、あのさ」
「ん？」
「言えてなかったんだけど...
浴衣、...かわいいね」
「えっ、」
「ちゃんと言いたかったんだ。ごめん、急に」
「ううん。嬉しい」
ラウールくんも微笑む。
「Aさんはそうやって準備してくれたのに、僕は私服でなんか申し訳ないな」
「そんなことない。...ラウールくんもかっこいいよ」
「...え、本当？」
「本当。じゃあ来年はラウールくんも浴衣にしてよ」
「もう来年の話？」
「うん。一緒に見に行って、そこで買ったやつを来年からは着てほしいな」
「Aさんも、来年からもその浴衣姿見せてね」
私の本音を、ラウールくんは聞き逃さなかった。
.
「あれ、Aとラウールくん？」
そんな時同じく会場に来ていた、クラスメイトで吹部の友達２人に話しかけられる。
「Aの浴衣かわいー！」
「ありがとう」
「てか、何でラウールくんと？」
彼に目配せする。
流石にクラスメイトには言いたくないよね、
「僕とAさん、付き合ってるんだ」
「ラウールくん...」
「だから見守ってくれると嬉しい、です」
最後は恥ずかしそうにしたラウールくんの言葉全部を聞いた友達は、満開の笑顔になる。
「Aよかったじゃん！」
「そうだよ！本当お似合い」
「ありがとう...」
「もうそのまま結婚まで行っちゃえ！」
「ちょっと気が早いよ！しかもラウールくんの前で！」
じゃあ邪魔者はどっか行きまーすと２人は笑って去っていく。
.
「ラウールくん、ありがとう」
「あんな感じでよかった...？」
「うん。ちゃんと言ってくれて嬉しかった」
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作者名：キキララ
| 作成日時：2022年12月1日 17時
