レモンとストロベリーとラズベリー(白×緑) (ページ35)

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(Raul side)

「ラウ」
「ん？」

お姉ちゃんが部屋に入って来た。

「金曜の昼から、Aちゃんと学校の図書室で宿題する約束したけどどうする？」
「え、行きたい！あっ、」

思わず本音が出るとお姉ちゃんに笑われる。

「可愛いねラウ。本当にAちゃんのこと好きなんだね」
「え、いやその...」
「違うの？じゃあ無理に来なくてもいいよ」
「いい！行きたい、から...」

また笑われて、「じゃあ約束ねー」と言ってお姉ちゃんは部屋を出た。

.

「ラウールくん、深澤先輩。お待たせしました」
「ううん待ってないよ。ね？ラウ」
「うん。こ、こんにちは」

人見知り出てるじゃん！とお姉ちゃんに笑われてから、図書室に入る。

生徒は誰もいないし、司書さんも隣の部屋にいるから、図書室は無人。

「２人はどれぐらい残ってるの？」
「僕は読書感想文だけ」
「私もです」
「へえ、じゃあ図書室ちょうどよかったね！１年生宿題多いもんなあ」
「そうなんですよ。私、本探してきます！」

Aさんがその場を離れると、お姉ちゃんに目配せされた。

あ、行けと。

僕は早歩きでAさんの元へ行く。

「Aさん」
「ラウールくん」
「課題の本ってこの辺？」
「ううん。ちょっと寄り道してた」

Aさんが手に取っていたのは、ジェンダーに関する本だった。