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(You side)
「いらっしゃいませ、２名様ですか？」
「はい」
「空いてる席どうぞー」
「じゃあここにしよ？」
「はい」
さも自分の好みだけで席を決めた言い方をして先輩は椅子に座ったけど、そうして気を遣わせずに私をソファー席に座らせてくれる。彼はいちいち優しい。
"阿部先輩。これから塾ですか？"
"いや、今日はもう帰るだけ"
"じゃあ...ちょっといいですか？"
そうして誘った私は阿部先輩と近くのファミレスに来て、ポテトとドリンクバーを注文した。
「放課後にファミレスなんて、高校生活２年目にして初だな。何か悪いことしてる気分」
「あはは、分かります。私も初めてです」
「そっか。ならちょうどよかった」
何がちょうどよかったのかは分からないけど、目の前の笑顔のあまりの輝き具合にこの違和感を押し返される。
頼んだメニュー全てが揃った時、先輩が「それで、どうしたの？」と口を開く。
心の中で呼吸を整える。
「あの、私...」
「うん、」
「...そのままいってたら、本当は今高2なんです」
「...え？」
先輩の神経全てが私に集中している気がして、体に力が入る。
「私の中学、幼稚園から大学までエスカレーター式の女子校で。受験して入ったんですけど、それまでにそこに入った子たちの団結力が強くて、私はいかにも外部の人間って態度取られて」
「...それで？」
「1年の頃は、そうは言っても何ヶ月か一緒に生活してたら、周りの皆と同じようになれる、受験までして入った学校なんだから、逃げ出すなんて間違ってる。そう言い聞かせて、少しでも色んな人と仲良くなりたくて、吹奏楽部にも入りました。でも、そうならなかった」
「...」
「2年になったら限界にお出迎えされました。
無理してたらガタが来て。学校に行こうとすると体調が悪くなって。夏に部活だけとりあえず辞めても楽にはなれなくて、留年、退学、転校」
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作者名：キキララ
| 作成日時：2022年12月1日 17時
